『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』異例の右肩上がり、大コケ濃厚な新作は? 映画興行成績ランキング【2023年12月1日~3日】
12月4日に発表された全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、12月1日~3日)で、二階堂ふみとGACKTのダブル主演映画『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』(11月23日公開)が1位を獲得。同週末3日間の観客動員は22万2000人、興行収入は2億9500万円を記録し、公開初週末に続いて首位を飾り“V2”となった。
同映画は2019年2月公開の『翔んで埼玉』の続編。『パタリロ!』(白泉社)などで知られる漫画家・魔夜峰央氏が、「花とゆめ」(同)の別冊で3回に分けて連載した同題作品が原作で、“埼玉県民が東京都民から迫害を受ける”という世界が舞台。二階堂は東京都知事の息子・壇ノ浦百美役、GACKTは埼玉県の大地主の子息・麻実麗役に起用されている。
前作は関東内での争いが描かれたが、今作では“大阪の陰謀”が発覚したことから、日本全土を巻き込む東西対決が勃発。公開2週目にして、累計成績は動員83万8000人、興収11億5000万円を突破している。
第2位は、神木隆之介が主演を務める『ゴジラ-1.0』(11月3日公開)。“ゴジラ生誕70周年記念作品”として国内外で話題の同作は、第二次世界大戦後の日本で、ゴジラに対して“生きて抗う”術を探っていく人々の姿を描いたSFアクション。監督は『永遠の0』(13年12月公開)などを手がけた山崎貴氏で、神木のほかに浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、 佐々木蔵之介ら、多数の実力派俳優が出演。公開から5週目となった同週末3日間も動員14万8000人、興収2億1700万円をあげ、累計成績は動員248万人、興収38億円を超えた。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』アニメ映画がランクイン
第3位はアニメーション映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(11月17日公開)。漫画家・水木しげる氏の生誕100周年記念作品で、前週の4位からワンランク上昇。数字面でも、公開初週末は動員11万1500人、興収1億6000万円、2週目は動員11万3600人、興収1億6900万円、3週目となった今回は動員14万人、興収1億8900万円と異例の右肩上がり。累計成績は動員57万人、興収8億円となった。ネット上の水木作品ファン、アニメファンの盛り上がり方からして、まだまだ勢いは衰えそうにない。
第4位は、初登場のアニメ映画『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』(12月1日公開)。小説家・鴨志田一氏の人気ライトノベル『青春ブタ野郎』シリーズ(電撃文庫)の劇場アニメ最新作で、上映館数103スクリーンと小規模公開にもかかわらず、トップ5入りは“快挙”といえそう。
第5位は北野武が監督・脚本を担当し、「ビートたけし」名義で主演も務めた『首』(11月23日公開)。「本能寺の変」を題材とした“戦国スペクタクル映画”で、西島秀俊、加瀬亮、遠藤憲一、浅野忠信、大森南朋、中村獅童ら豪華キャストが集結。「面白かった」「興奮した」というネットユーザーも少なくないが、「大物を集めてるわりに、内容は期待はずれ」「コントっぽいシーンでしらけた」との意見も。初登場3位だった前週から順位を落とした。
『ナポレオン』が「ガッカリ」といわれるワケ
第6位は“フランスの英雄”ナポレオン・ボナパルトの人物像を“新解釈”で描いた『ナポレオン』(12月1日公開)。主演は『ジョーカー』(19年10月公開)などのホアキン・フェニックス、監督は『グラディエーター』(00年6月公開)などのリドリー・スコット氏。これまでの歴史上におけるナポレオン像とはイメージが違ったとして、鑑賞者からは「ガッカリ」という声も出ているが、映像の迫力は評価されている様子だ。
第7位はKAT-TUN・亀梨和也が主演を務める『怪物の木こり』(12月1日公開)。小説家・倉井眉介氏の同題作品(宝島社)の実写化で、亀梨は“怪物の仮面を被った殺人鬼”に狙われるサイコパスの弁護士・二宮彰を熱演。そのほか菜々緒、吉岡里帆、渋川清彦、染谷将太、中村獅童らも登場する。監督は『悪の教典』(12年11月公開)などを手がけたバイオレンス描写に定評がある三池崇史氏で、ネット上には「ストーリーが面白い」「原作を知らなくても楽しめる」といった書き込みが寄せられている一方、「思っていたより物足りなかった」「三池監督が描くサイコパスっていうから期待しすぎた」という感想も。大規模公開にもかかわらず7位スタートとあって大コケ濃厚か。
第8位は、名作ホラー映画『エクソシスト』(1974年7月公開)の“正統続編”となる『エクソシスト 信じる者』(12月1日公開)。主人公のヴィクター・フィールディング (レスリー・オドム・Jr)は、娘のアンジェラ(リディア・ジュエット)が親友のキャサリン(オリヴィア・オニール)と森で行方不明になって3日後に保護されるも“異変”を感じる。そこで50年前に同じような経験から愛娘を守り抜いたクリス・マクニール(エレン・バースティン)に助けを求め、悪魔祓いの儀式を始める……という内容。
第9位は、アニメ作品『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』(11月3日公開)。サンエックスの人気キャラクター「すみっコぐらし」(イラストレーター・よこみぞゆり氏)を劇場アニメ化した人気シリーズの最新作で、子どもだけでなく大人にもウケていることから、公開5週目を迎えてもなおトップ10入り。19年11月公開の『とびだす絵本とひみつのコ』は最終興収14.5億円、21年11月公開の『青い月夜のまほうのコ』は最終興収12.6億円をあげており、今作にも期待がかかる。
第10位はTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE・川村壱馬、RIKU、吉野北人がトリプル主演を務め、EXILE・HIROによる企画プロデュースの『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』(12月1日公開)。デートセラピストの刹那(川村)、イチヤ(RIKU)、刻(吉野)が“一夜かぎりの恋人”として女性たちを癒やす姿を描く。
全国映画動員ランキングトップ10(12月1日~3日、興行通信社調べ)
1位:『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』
2位:『ゴジラ-1.0』
3位:『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
4位:『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』
5位:『首』
6位:『ナポレオン』
7位:『怪物の木こり』
8位:『エクソシスト 信じる者』
9位:『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』
10位:『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』