GACKT主演『翔んで埼玉』が1位、北野武『首』は賛否両論! 映画興行成績ランキング【2023年11月24~26日】
二階堂ふみとGACKTがダブル主演を務める映画『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』(11月23日公開)が、最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、11月24~26日)で初登場1位を獲得。2019年2月公開の前作映画『翔んで埼玉』も話題になったが、今作はさらなる大ヒットが期待されている。
同作は『パタリロ!』(白泉社)で知られる漫画家・魔夜峰央氏が、「花とゆめ」(同)の別冊で3回に分けて連載した『翔んで埼玉』の実写映画。“埼玉県民が東京都民から迫害を受ける”という世界の物語で、映画第1弾では、東京都知事の息子・壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、埼玉県の大地主の子息・麻実麗(GACKT)との出会いを通じて“埼玉解放戦線”に参加。今月23日に公開した映画2弾は、麗や百美が“日本埼玉化計画”を進める中で“大阪の陰謀”を知り、日本全土を巻き込む東西対決が勃発する……といった内容だ。
そんな『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』は全国373スクリーンでの大規模上映により、週末3日間で観客動員29万2300人、興行収入4億1500万円を記録。前作の公開3日間の成績(動員24万7968人、興収3億3094万9400円)を上回り、さらに今作は祝日だった初日からの4日間で動員44万4500人、興収6億3000万円を上げている。この勢いをキープできれば前作の最終興収37.6億円も超えられそうだが、ネット上には「前の埼玉ネタはわかりやすかったけど、今回の関西ネタはピンと来ない人もいそう」という声もあり、そこが懸念点となっている。
同週の全国週末興行成績ランキング第2位は、上映開始から4週目の『ゴジラ-1.0』(11月3日公開)。“ゴジラ生誕70周年記念作品”である同映画は、第二次世界大戦後の日本が舞台。主人公の帰還兵・敷島浩一(神木隆之介)、彼と生活を共にするようになる大石典子(浜辺美波)ら、戦争を生き延びた人々が、ゴジラに対して“生きて抗う”術を探っていく姿を描く。
前週まで“V3”を記録し、今週は『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』に首位を奪われた格好だが、週末3日間の成績は動員18万5500人、興収2億9200万円。累計成績は動員223万人、興収34億5600万円を突破し、快進撃は続きそうだ。
北野武『首』、アニメ『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』ランクイン
第3位は、北野武が監督・脚本を務める最新作『首』(11月23日公開)で、3日間の動員は17万5200人、興収は2億6100万円。祝日だった初日からの4日間では動員26万3000人、興収3億9500万円を上げた。同作は、北野監督が構想に30年を費やした意欲作で、自ら「ビートたけし」名義で主人公の羽柴秀吉役を熱演。そのほか明智光秀役に西島秀俊、織田信長役に加瀬亮がキャスティングされている。
ネット上では「北野ワールド全開」「最高のエンタメ」「斬首シーンがグロい」「男色シーンが多すぎる」など賛否両論。北野名義で脚本・監督を担当した前作『アウトレイジ 最終章』(17年10月7日公開)の最終興収15.9億円を上回れるか。
第4位は漫画家・水木しげる氏の生誕100周年記念作品『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(11月17日公開)。シリーズの原点である目玉おやじ(鬼太郎の父)の過去と、鬼太郎誕生にまつわる物語を、18~20年にフジテレビ系で放送されたテレビアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第6期をベースに描いた話題作。声優陣は関俊彦(鬼太郎の父)、木内秀信(水木)、沢城みゆき(鬼太郎)、野沢雅子(目玉おやじ)など。週末3日間の成績は、初週末の成績を上回る動員11万3600人、興収1億6900万円をあげ、累計動員35万8000人、興収5億1100万円となった。
第5位にもアニメ作品の『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』(11月3日公開)がランクイン。サンエックスの人気キャラクター「すみっコぐらし」(イラストレーター・よこみぞゆり氏)を劇場アニメ化したシリーズで、19年11月公開の『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』、21年11月公開の『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』に続く3作目。1、2作目にナレーターで出演していた20th Century・井ノ原快彦が今作では降板となり、ファンにショックを与えたものの、上映開始から4週間ランキング上位をキープしている。
『ミステリと言う勿れ』上映11週目もトップ10入り、最終興行収入に期待
ここまでは邦画が奮闘していたが、第6位はアメリカのスーパーヒーロー映画『マーベルズ』(11月10日公開)。「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」シリーズの最新作で、主役は女性ヒーローであるキャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)。
地球に未曽有の危機が迫る中、キャプテン・マーベルがミズ・マーベル(イマン・ベラーニ)、モニカ・ランボー(テヨナ・パリス)とチームを結成して立ち向かうというストーリー。「MCU」シリーズの前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(5月3日公開)は4週目でトップ10圏外となっており、現在3週目の『マーベルズ』は来週もランキングに留まれるか注目だ。
第7位はKing&Prince・永瀬廉が主演を務める『法廷遊戯』(11月10日公開)。小説家・五十嵐律人氏の同題作品の実写化で、弁護士を目指してロースクールに通う“セイギ”こと久我清義(永瀬)が「弁護人」に、幼なじみの織本美鈴(杉咲花)が「被告人」に、2人の同級生・結城馨(DISH//・北村匠海)が「死者」になり、無辜(むこ)ゲームなる私的裁判を行う中、それぞれの秘密が暴かれ、驚愕の結末が明らかになる……という“ノンストップ・トライアングル・ミステリー”。ネット上では「いろいろ考えさせられる映画」「アイドルが主演だからって見ないのは損」などと評判が良く、口コミの広がりによって成績を伸ばしていけるかもしれない。
第8位は、11月23日公開のサバイバル・アクション映画『ロスト・フライト』。ブロディ・トランス(ジェラルド・バトラー)機長が操縦する航空機のブレイザー119便が落雷でコントロールを失い、フィリピン・ホロ島の無法地帯に不時着。現地の反政府ゲリラが迫りくる中、トランスは機長として乗客を守るため、移送していた犯罪者のルイス・ガスパール(マイク・コルター)と手を組む……という内容。アクション映画好きのネットユーザーには概ね好評だ。
第9位は、9月15日から上映11週目でも大ヒット中の『ミステリと言う勿れ』。原作は漫画家・田村由美氏の同題作品で、22年1月期にフジテレビ系「月9」枠にて菅田将暉主演でドラマ化。映画版もやはり菅田が主人公・久能整を演じ、広島の名家・狩集家をめぐる遺産相続事件の謎に迫る姿を描いている。11月6日時点で興収44億円を突破と伝えられていただけに、最終興収に期待がかかる。
第10位は初登場『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』(11月23日公開)。エポック社のドールハウス&人形「シルバニアファミリー」を3DCGアニメで初映画化し、黒島結菜が主人公であるショコラウサギの女の子・フレアの声を担当。そのほか松岡茉優、DAIGO、蒼井優、水瀬いのり、日野聡らがボイスキャストを務めている。同じ子ども向け作品の『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』が276スクリーンで上映されたのに対し、『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』は185スクリーンで公開。小規模ながら健闘している。
全国映画動員ランキングトップ10(11月24~26日 、興行通信社調べ)
1位:『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』
2位:『ゴジラ-1.0』
3位:『首』
4位:『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
5位:『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』
6位:『マーベルズ』
7位:『法廷遊戯』
8位:『ロスト・フライト』
9位:『ミステリと言う勿れ』
10位:『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』