ママ友トラブル

中学受験ママ、公立組の仲良しママ友と「距離を取るようになった」理由

2023/11/26 16:00
池守りぜね(ライター)

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係は、価値観や環境の違いからさまざまなすれ違いが起きやすい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、ママ友トラブルの解決策を考える。

頭を抱える女性の画像
写真ACより

 景気低迷、物価高騰が止まらない昨今 、それでも中学受験をはじめとする“教育への投資”は過熱する一方のようだ。2023年首都圏中学入試の「私立・国立中学校の受験者総数」(首都圏模試センター推定)は、前年より1,500名増加の5万2,600名(前年比102.9%)、受験率は17.86%と、いずれも過去最多・最高を記録している。

 都内では、小学6年生のクラスの2人に1人が中学受験をする地域もあるという。しかし、中学受験をするママと、公立中に行かせるママとでは、子どもの教育に対する価値観が大きく異なり、それが仲たがいのきっかけになるケースもあるようだ 。今回は、中学受験に励むお母さんが抱える“葛藤”を取り上げる。

保育園時代からのママ友に中学受験することをどう思われているか……

 優子さん(仮名・42歳)は、都内で11歳になる英恵ちゃん(仮名)の子育てをしている。彼女は関東出身だが、高校まで地元で過ごし、大学入学を機に上京してきた。

「私の地元は首都圏ではあるものの、当時は女子が都内の有名大学に進学するというケースはそこまで多くなかった。 県内で2番目に学力の高い高校に入学し、3年間必死で勉強に励んで都内の有名 大学に合格した時は、本当にうれしかったですね。反対に、夫は中学から大学附属校に通い、勉強一色になることなく青春を謳歌して 、有名大学に進学。その話を聞いてから、私は娘に中学受験させて、ゆとりある中高6年間を過ごしてもらいたいと思うようになりました」

 娘の保育園時代からのママ友である聡美さん(仮名・41歳)は、子どものお稽古事で毎週顔を合わせる仲。聡美さんの娘の明日香ちゃん(仮名・11歳)と英恵ちゃんは、同じ水泳教室に6歳の頃から通っている。

「明日香ちゃんは体を動かすのが得意で、うちの娘より上のコースに所属しています。水泳以外にも地元のミニバスケットボール教室に通っていて、まさにスポーツ少女なんです。娘は水泳こそ好きなんですが、スポーツ全般はそこまで……という感じ。共通の趣味があるわけではないものの、2人ともとっても仲良し。 聡美さんとは、かわりばんごで水泳教室の送迎を行うなど 、長年家族ぐるみの付き合いを続けています」

 英恵ちゃんが小5になったタイミングで大手進学塾に通うようになると、お稽古に行けなくなる日が増えたという。

「水泳教室は土曜日なのですが、塾のテストなどと重なるとお休みするように。振替のクラスを受けたくても、平日は週3日、塾の授業があるため、水泳教室を辞めようかと考え始めています。明日香ちゃんは地元の公立中に進学予定なので、前と変わらず水泳教室に通っているのですが、 娘は『明日香ちゃんに会いたいから』という理由で、お稽古を辞めたくないというんです。とはいえ、小6になる前には辞めさせないと……と思っています 」

 優子さんが住んでいる地域は、だいたい3人に1人が中学受験をするといい、成績優秀な子や、二世帯住宅に住む裕福な家庭の子が目立つそうだ。

「私はパートで事務の仕事をしていますが、普通のサラリーマン家庭から塾の代金や私立の授業料を払うとなると大変なため、中学受験が済んだら正社員で働けるところを探そうと思っています。そういう家庭の事情も知っているせいなのか、聡美さんから『最近、働きすぎで忙しそうだけれど、大丈夫?』と聞かれてしまい……『無理して私立に行かせようとしているって思われているのかな?』とドキリとしました」

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