家電のプロおすすめの加湿器、「スチーム式」は手入れがラク! 象印が人気のワケ
戸井田 方式が決まったら「適用床面積」を確認。基本はジャストサイズを選んでください。大きすぎると過加湿で結露の原因になります。結露は窓だけでなく壁のなかにも発生しカビの原因に。また、給水法が簡単なことも意外と大事です。タンクが大きいとキッチンかお風呂場で給水しなければなりません。洗面所で給水できるタンクが浅めのタイプや、水差しで給水できるタイプが人気ですね。シャープ「プラズマクラスター加湿機」は「どっちも給水」といって、トレーを抜かずに本体の上から注ぐこともできます。ハイブリッド式で電気代も抑えめ、内部まで拭ける設計で、きれい好きな人にも向いています。
くさ子 加湿器がこんなにメンテナンスが必要と知りませんでした。加湿器全体的にハードルが高い。
戸井田 そうですね。加湿器にはトレー、フィルターなど掃除しなければいけないパーツがいくつかあるので、どれくらいのサイクルでどの程度メンテナンスしなければならないかは大きなチェックポイント。また、タンクの水は毎日捨てて新しくしなければなりません。余っているからといって継ぎ足して使っていると、水道水の塩素が薄まり消毒効果が落ち、ぬめりが出てくる。
くさ子 でも、面倒なんで足しちゃいますね。
戸井田 メンテナンスフリーでとことん衛生的にしたいなら、気化式のダイソン「加湿空気清浄機」8万円代! タンクに強力なUV-Cライトが付いており、水に直接照射して除菌。加湿フィルターには銀をより合わせた糸が織り込まれていて細菌の増殖を防ぎます。また、加湿フィルターの「洗浄機能」を搭載。給水タンクに加湿フィルターとクエン酸を入れてボタンを押すと、自動でフィルター洗浄をしてくれます。ほったらかし洗浄ができるのは、業界初ですね。かなり大きいけど。
ケチ美 8万円超え(笑)!
くさ子 高いけど、メンテナンスが限りなく手間が少なくなっているのは理想的だなあ。
戸井田 以上のように、加湿器はどのタイプもフィルターのメンテナンスが定期的に必要です。さらに、フィルターはシーズン終わりに洗ったあと、少しでも水分が残っていると梅雨や夏の間にカビが生えます。それをそのまま次のシーズン使うと菌をばらまくことになるので要注意です。こうしたことを踏まえて、あとはアロマ付きやデザインのお好みで選ぶといいいと思います。
ケチ美 デザインは一番最後。加湿器は衛生、安全が何より大切ということですね。
――次回は布団乾燥機の選び方を教えてもらいます!
戸井田園子(といだ・そのこ)
家電コーディネーター。All about家電ガイド。大手プレハブメーカーでインテリアコーディネートを担当し、インテリア研究所を経て商品企画部へ。現在は、雑誌・新聞・テレビなどで活躍中。2020年5月17日に脳卒中のため死去。