2023年大みそかは「見るものがない」? テレビ関係者が“大穴”と注目するTBS特番
2023年も残すところ1カ月ほどとなり、テレビ各局は大みそかの夜に放送する特番を続々と発表。つい先日、TBSは『WBC2023 大晦日・生放送スペシャル』(仮)を放送すると明らかにし、ネットユーザーの耳目を集めたが、業界内では「今年の大みそかは全体的に、例年とは少し雰囲気が異なる」(スポーツ紙記者)と指摘されているようだ。
TBSの大みそかといえば、21年と22年は有名人らが“鬼ごっこサバイバルゲーム”を繰り広げる『THE鬼タイジ』を放送。しかし今年は、3月に開催された『2023 WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)』の特番を放送するという。
「WBCで“侍ジャパン公認サポートキャプテン”を務めたタレント・中居正広をMCに迎え、大会の裏側など“初出し映像”を公開したり、侍ジャパンの選手たちをゲストに呼んでトークを行うとか。確かにWBC開催期間とその直後はネットが大盛り上がりしていましたが、大みそかに特番をやるという発表には、ネット上で『今さら?』『誰が見るんだよ』といった不満の声も寄せられている状況です」(同)
フジ、日テレ、テレ朝の大みそか番組は?
ちなみに他局はというと、フジテレビは昨年と同様に『逃走中』を放送。有名人らが“ハンター”から逃げ回って生き残り、賞金を狙う企画内容をめぐっては、後発のTBS『THE鬼タイジ』に「パクられたのでは?」とささやかれていたが、今年の大みそかはフジの『逃走中』だけが放送される見込みだ。
「日本テレビは20年の大みそかまでバラエティ特番『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけない』シリーズを放送していましたが、21年と22年は大勢の芸人が登場する『笑う大晦日』をオンエアし、今年も同シリーズに決定。番組名は『笑って年越し!THE 笑晦日』だそうです。テレビ朝日もここ数年定番となっている、タレント・長嶋一茂、石原良純、ヴァイオリニスト・高嶋ちさ子の人気トーク番組『ザワつく!金曜日』の特番『ザワつく!大晦日』を放送すると発表しました」(同)
このようにフジ、日テレ、テレ朝は昨年と変わり映えしない番組にとどめたのに対し、TBSだけWBC特番という“変化球”。野球ファンはともかく、それ以外の視聴者にはかなりウケが悪そうだが……。
「“侍ジャパン”の一員として大活躍した大谷翔平選手の人気は凄まじく、ワイドショーや週刊誌でも『彼の名前があるかないかで数字がガラッと変わる』と言われるほどのキラーコンテンツ。特に高齢者の支持率が尋常じゃないんです。『大みそかの夜に家族で見る番組なのか?』という点は未知数ですが、あまり前例のない編成だけに、意外と当たるかもしれませんよ。業界内では“大穴枠”とみられています」(テレビ関係者)
10~20代をターゲットにしているのは『NHK紅白歌合戦』だけ
ただ、ネット上で「今年の大みそかは見るものがない」とブーイングが起きているのも事実。
「民放各局が、どちらかというと中高年向けの番組を用意している一方、『NHK紅白歌合戦』は明確に10~20代の視聴者層をターゲットに構成。『紅白』は近年、人気アニメの主題歌に起用されたアーティスト、YouTube発のエンタメグループ、K-POP勢といった顔ぶれが目立ち、番組の“若返り”を図ろうとしているのは間違いありません。今年の大みそかは民放各局とNHKのスタンスの違いが際立っています」(同)
例年とほぼ変化なしのフジ、日テレ、テレ朝、変化球のTBS、若者向けに振り切ったNHK……良い結果を得られるのは、果たしてどの局か。