『紅白』2023年、視聴率は“大爆死”間違いなしも……NHKがアニソン、K-POP推すワケ
大みそかの風物詩『第74回NHK紅白歌合戦』の出場者が、11月13日に発表された。今年、創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題が大々的に報じられた旧ジャニーズ事務所の所属タレントは選出されておらず、いわゆる“ジャニーズ枠”が消滅したと話題だが、業界内では「『紅白』に起こった変化はジャニーズ関連だけではない」(スポーツ紙記者)と指摘されている。
「ジャニー氏の性加害を正式に認めたジャニーズ事務所は、先月17日にSMILE-UP.へと社名変更。現在は被害者への具体的な補償対応を進めていますが、この問題が取り沙汰される中、同社所属タレントは、今年の『紅白』に出場するのか否かに大きな注目が集まっていました」(同)
そして、NHKが今月13日に今年の出場者を正式発表。紅組では新しい学校のリーダーズ、Ado、ano、元キャンディーズ・伊藤蘭、MISAMO、白組では大泉洋、キタニタツヤ、すとぷり、Stray Kids、SEVENTEEN、10-FEET、MAN WITH A MISSION、Mrs. GREEN APPLEの初登場が決定。
そのほか、紅組の緑黄色社会とLE SSERAFIM、白組のJO1とBE:FIRSTが、昨年に引き続き2回目の出場を決めた。また、ベテランに目を向けると、紅組の石川さゆり(46回目)、坂本冬美(35回目)、天童よしみ(28回目)、水森かおり(21回目)、白組の郷ひろみ(36回目)、さだまさし(22回目)ら常連組も名を連ねている。
「近年、だいたい5~6組は出場していた旧ジャニーズグループが、今年は1組も選ばれていません。一時は“ジャニーズ枠が激減する”という報道もありましたが、結果的には“ゼロ”となり、ネット上のファンは『タレントに罪はないのに』『「紅白」がすべてじゃないとはいえ残念』などと悲痛な思いでいるようです」(同)
ano、MISAMO、SEVENTEEN、すとぷり……ターゲットを若年層に定めたNHK
一方、業界関係者の間でも今年の『紅白』の“激変ぶり”は話題になっている様子。
「旧ジャニーズ枠消滅により、大手芸能事務所のアミューズ枠が目立つようになりました。今年はPerfume(16回目)、福山雅治(16回目)、星野源(9回目)、エレファントカシマシ(2回目)、そして大泉と5枠を確保しています。かつては『LDH枠』、AKBら『48グループ枠』も存在感を放っていましたが、いずれも『紅白』への出場枠はゼロという状況が続くことに」(週刊誌記者)
また、NHKが視聴者のターゲットを「20代以下の若年層に振り切った感がある」(テレビ誌ライター)という声も。これは今年に限ったことではないが、近頃の『紅白』は人気アニメの主題歌を歌う歌手、YouTube発のアーティスト、K-POP関連勢を推しており、「今年の出場者では、ano、milet、キタニタツヤ、すとぷり、TWICE発の日本人ユニット・MISAMO、Stray Kids、SEVENTEENらがそれに当たる」(同)という。
「NHKは明らかに番組自体の“若返り”を意識している。昔ながらの『紅白』にあった“年末に家族で楽しむ”雰囲気の番組とはまったく異なるものになるでしょうし、視聴率的には大爆死は間違いない。それでも『若者向けの番組にしたい』『懐メロ番組にはしたくない』といったNHKの強い意思を感じます。いずれは演歌勢も淘汰されるのでは」(テレビ誌ライター)
『紅白』のこれからを見据え、大胆な若返りを図っているとみられるNHK。高齢化社会の本番はこれからだが、今後も引き続き若年層向け番組に舵を切っていくのだろうか。