暮らし
元「レタスクラブ」編集長に聞く

マネーの専門家に聞いた、食品が安い「ドラッグストア」3店「ECサイト」2店! 

2023/11/12 18:00
松崎のり子(消費経済ジャーナリスト)

――続いて、「ドラッグストア」の変化について教えてください。

松崎 ドラッグストアはもともと、スーパーに比べて加工食品が安いです。具体的には、ハムやソーセージ、麺類、魚のすり身を使った製品などは、スーパーより安く買える可能性があります。あと、ドラッグストアでもPB食品を作っているお店がいくつかあって、まだまだ破格の安さをキープしていることも珍しくないです。

 ドラッグストアは食品で儲ける必要がないので、お客さんを呼び込む“おまけ”的な商品だといえます。また、スーパーのように満遍なく食品をラインナップする必要もないので、冷凍食品など、在庫の管理コストが少ないものだけ揃えておけばいい。こうした理由から、値上げが続出している今も、スーパーに比べて安く売られているものが結構残っていますね。

 「まずドラックストアに行ってから、スーパーに足を運ぶ」という順番で買い物をすると、比較的安くお買い物ができますので、豆知識として覚えておくといいかもしれません。

――食品が特に安い、おすすめのドラッグストアはありますか?

神奈川県横浜市を中心に展開するドラッグストア「Fit Care DEPOT」(写真:Wikipediaより

松崎 「ドラックコスモス(コスモス薬局)」は、もはやスーパーじゃないかと思うほど、食品に力を入れています。プライベートブランド「ON365(オン・サン・ロク・ゴ)」などを展開しており、商品がとても充実しているんです。

 都心でもよく見かけるようなお店だと、「ツルハドラッグ」もおすすめ。プライベートブランド「くらしリズム」が展開されているほか、NB商品もスーパーより2割くらい安く買えることもあります。

 神奈川県、特に横浜市を中心に展開されている「Fit Care DEPOT(フィットケア・デポ)」も食品の品揃えが充実していて、しかも安い。こういった、地域密着型のドラッグストアも狙い目だといえるでしょう。

食品が安い「サンディ」「Big-A」、あとひとつは?

――ほかにも、節約に役立つ「売り場情報」があれば教えてください。

ボックスストアに近い形態を取る「Big-A」(写真:Wikipediaより

松崎 「ボックスストア」と呼ばれる形態のスーパーは、食品がとても安いです。段ボールから商品を出さずに、そのまま店頭に積んでいるようなお店のことを指しますが、関西を中心に展開している「サンディ」がまさにこのスタイル。メジャーなところだと、「Big-A(ビッグ・エー)」もボックスストアに近いです。商品を大量に仕入れる一方、陳列には手間をほとんどかけないので、人件費が安く済み、商品の値段も下げられるのだと思います。

 あと、道の駅などに併設された農産品直売所は、生産者が値付けをしているので安く買えることが多い。「道の駅」というと、高速道路の途中に立ち寄る場所というイメージもあるかもしれませんが、ちょっと郊外に出ると、意外と普通の道路にも直売所があって、そこで日常的に買い物をする人も結構いるようです。中間業者を入れない直売所は普通のスーパーよりは安く買えるので、活用してみてください。

訳あり食品が安く買えるサイト2選

――実店舗以外に、通販でおすすめのサイトはありますか?

松崎 私は、東京ガスがスポンサーを務めるECサイト「junijuni(ジュニジュニ)」や、「Otameshi(オタメシ)」を利用しています。どちらもフードロス削減を目的にしており、賞味期限が近づいていたり、パッケージが古くなっていたりする訳あり商品を安く売っているサイトです。

 ただし、結構大量に買う必要が出てくるので、私はコーヒーなど毎日消費するようなもの、かつ、そこまで賞味期限を気にしなくてもいいものをよく買っています。ちなみに、賞味期限が近づいているといっても、1年以上持つ商品も多いですし、サイトには賞味期限が必ず書いてあるので、安心して購入できると思います。

――最後に、値上がりが続く今、食費を抑える“節約の極意”を教えてください。

松崎 「買い物に行く前に、自宅の冷蔵庫・冷凍庫を確認すること」です。ストックがまだあるのに、安いからといって冷蔵庫や冷凍庫がパンパンになるほど食材を買ってしまうと、食べきるのが大変ですし、ムダになる可能性が高い。まずは食材を“使い切る”ことが、節約には一番大事だと思います。値上がりが続いている中で、「安売り」という言葉は魅力的に響きますが、あまり踊らされないでほしいですね。

 それに、食品が値上がりしているなら尚更、フードロスを出すのはもったいないじゃないですか。値上げになっているものを買って、結局捨てしまうとなれば、2倍もったいない。安いからといって大量に買わないことが、結果的には食費を減らせるんじゃないかと思います。

松崎のり子(消費経済ジャーナリスト)

消費経済ジャーナリスト。「レタスクラブ」(KADOKAWA)「ESSE」(扶桑社)など生活情報誌の編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い癖にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。主な著書に『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)など。

X:@geki_yasuko

消費経済リサーチルーム

最終更新:2023/11/12 18:00
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