チャールズ国王初スピーチのウラで……ヘンリー王子が「国王に明らかな嫌がらせ」?
チャールズ国王が君主として初めてイギリス議会の開会スピーチを行った現地時間11月7日の前夜、ヘンリー王子はニューヨークで開催された退役・現役軍人らを支援する慈善コメディ公演にビデオで出演。国王から注目を奪おうとしたとして叩かれている。
王子は、王室から贈られた4つのメダルを胸につけ、ビデオで自虐ジョークを炸裂。翌8日には、メーガン夫人と“サセックス公爵夫妻”としてサンディエゴの退役軍人トレーニングセンターのオープニングセレモニーに出席。テープカットを行い、ネット上からは「公務かのように振る舞っている」「アメリカ人を騙している」などとと批判する声が続出している。
チャールズ国王が英国王としてイギリス議会で72年ぶりとなる歴史的な開会スピーチを行った、その前夜に王子がビデオ出演したのは、退役・現役軍人とその家族を支援する慈善コメディ公演『スタンド・アップ・フォー・ヒーローズ』。今年で17回目となるこの公演には毎年セレブも参加しており、今回はトム・ハンクス夫妻やブルース・スプリングスティーンが出演した。
王子は、おなじみとなった“高級住宅地モンテシートにある自邸の広大な庭”をバックに撮影したビデオメッセージの冒頭で、「ぜひ、この公演でスタンド・アップ・デビューしてほしいとオファーをいただきました」「(オファーは)ジョークだったのかもしれませんが、昨年(の同公演で)は何もしませんでしたし、絶滅危惧種である我が赤毛のみなさんに敬意を示して、ここに出勤いたしました」とユーモアたっぷりに説明。
「軍人にしか通じないような不適切なジョークを言うんじゃないか? と心配されるかもしれませんが、大丈夫ですよ。私はこれをするために生まれたようなものなのですから」とニンマリ。「この日のために、時間をかけて準備をしてきました。チェックしてくれたみなさん、完璧だと言ってくれます。私の聞きたいことだけを言ってくれる人たちのみではありませんよ。財務管理者や弁護士、レイキヒーラー(霊気を使った民間療法士)だって、『完璧』と言ってくれているんです」と上流階級のトップであるロイヤルならではのセレブジョークを放った。
ここで、姿は見えないがカメラの外にいるメーガン夫人と思われる人物からカンペを渡されると、苦い顔で「これはいらないね」と返却。後半は、退役・現役軍人らを「兄弟、姉妹、友」と呼びつつ、「あなた方は決してひとりではない」と真面目にスピーチを行った。
軍人だったことを誇りに思い、王室を離脱してからも軍の名誉職にとどまることを強く希望していたが、王室側に却下されたヘンリー王子。離脱後は公の場での軍服着用を認められていないため、今回はスーツ姿だったが、胸元に戦没者追悼を意味する赤いけし(ポピー)のブローチのほかに4つのメダルを誇らしげにつけていた。
英王室から贈られたメダルをつけていることで、「これは王子ができる元軍人としてのこの上ない正装なのだろう」と感心する声もあったが、すぐに「メダルのひとつはアフガニスタンに派兵された兵士全員に贈られるもの」との指摘され、ほか3つについても、「エリザベス女王のゴールデンジュビリー、ダイヤモンドジュビリー、プラチナジュビリーを記念したメダルで、軍とは関係なく贈られるもの」と鑑定された。
なお、王子はチャールズ国王の戴冠式の記念メダルももらっているはずだが、今回つけていなかったため、「国王に対する明らかな嫌がらせだ」などの批判も上がっている。
王子は、この日、「国王から誕生日パーティに招待されたのに断った」という一部メディアの報道に対して、「招待されていない」との反論声明も発表。「招待されても行かないくせに、招待されないとすぐに被害者ぶる」などとも叩かれている。
国王から話題を奪う?
72年ぶりの国王スピーチがイギリス議会で行われた翌日も、ヘンリー王子はメーガン夫人と共にニュースとなった。ネイビーシールズ財団がサンディエゴのダウンタウンにオープンさせた退役軍人のためのトレーニングセンターのオープンセレモニーに、”サセックス公爵夫妻”として出席。テープカットを行った模様がアメリカの主要メディアに報じられたが、これが国王から話題を奪ったといわれている。
一方、王子の兄ウィリアム皇太子は、7日にシンガポールで開催されたアースショット賞(環境保護に貢献した人をたたえる賞)授章式を大成功に導いた。授章式では、ケイト・ブランシェット、スターリング・K・ブラウン、ハンナ・ワディンガムら華やかなセレブと記念撮影しており、「アメリカで王室ごっこしている王子とは格が違う」と感心された。
チャールズ国王は14日に75歳の誕生日を迎えるが、この日もヘンリー王子夫妻が話題を奪う行動に出るのではないかと注目されている。