映画『ゴジラ-1.0』、『シン・ゴジラ』超えのカギは? 興行収入の推移からわかること
神木隆之介が主演を務める特撮怪獣映画『ゴジラ-1.0』が11月3日に公開され、同6日発表の全国週末興行成績に基づく映画ランキング(興行通信社調べ、以下同)で初登場1位を獲得。さらなる大ヒットを期待する声が業界内外から寄せられているものの、興収を伸ばすには「公開直後の勢いをどれだけ維持できるかが大事」(芸能ライター)だという。
同映画は、東宝製作の実写『ゴジラ』シリーズ第30作目であり、“ゴジラ生誕70周年記念作品”。戦後間もない日本を舞台に、主人公の帰還兵・敷島浩一(神木)が偶然出会った女性・大石典子(浜辺美波)と生活を共にする中、野田健治(吉岡秀隆)、水島四郎(山田裕貴)、秋津清治(佐々木蔵之介)と戦後処理の特殊任務を請け負う船「新生丸」に乗り込み、巨大な怪獣・ゴジラと戦うことになる……という内容だ。なお、監督は『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ(2005~12年公開)などを手掛けたヒットメーカー・山崎貴氏が務めている。
「2016年7月に公開された『シン・ゴジラ』(主演:長谷川博己、監督:庵野秀明氏)以来、7年ぶりとなるシリーズ最新作『ゴジラ-1.0』は、公開初日から3日間で観客動員約64万8,600人、興行収入約10億4100万円をあげています。なお、『シン・ゴジラ』は公開初日から3日間の動員が約56万4,332人、興収が約8億4567万円。『ゴジラ-1.0』の初動は、『シン・ゴジラ』と対比すると、動員114.7%、興収122.8%になるため、ネット上では“『シン・ゴジラ』超えのスタート”と大盛り上がりしているんです」(同)
公開後の勢いが衰えなかった『シン・ゴジラ』、一方で『シン・ウルトラマン』は……
『シン・ゴジラ』は最終興収82.5億円を記録し、日本国内の歴代興行収入トップ100入りを果たした。『ゴジラ-1.0』はその成績を上回るのではないかと期待されているが……。
「たとえ初動が良くても、『シン・ゴジラ』超えはそう簡単なものではありません。というのも、『シン・ゴジラ』と同じ『シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース』シリーズ(通称『シン』シリーズ)で22年5月に公開された『シン・ウルトラマン』(主演:斎藤工、監督:庵野秀明氏)も、初日から3日間で動員約64万人、興収約9億9300万円と好発進。『シン・ゴジラ』との対比は、動員113.5%、興収117.2%と話題になったものの、最終興収は44.4億円に留まりました」(同)
『シン・ウルトラマン』は2週目で興収20億円、4週目で31億円を突破したと伝えられていたが、『シン・ゴジラ』は2週目で21億円、4週目には45億円を超えた。
「このように、『シン・ゴジラ』は公開後の勢いが衰えることなく、興収を伸ばしていました。『ゴジラ-1.0』も口コミを広げて新規客を呼び込むこと、またどれだけリピート客を生むかが、“『シン・ゴジラ』超えの大ヒット”のカギになってくるでしょう」(同)
山崎貴氏監督作『ドラクエ』は酷評も……『ゴジラ-1.0』は「傑作」と大反響
なお山崎氏は、19年8月公開の監督作『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』が、原作ファンを中心に酷評され、ネット上では『ゴジラ-1.0』の出来を不安視する者も少なくなかった。
「しかし、いざふたを開けてみると、口コミは上々。『シン・ゴジラ』と並ぶ傑作だと大反響を呼んでおり、『ゴジラはドラクエと違ってかなり楽しめた』という感想も見られます。当初は様子見をしていた人たちも、この口コミをきっかけに劇場を足を運ぶようになるのではないでしょうか」(同)
今年公開された実写邦画では、山崎賢人主演で7月に公開された『キングダム 運命の炎』が興収50億円を突破し、“2023年実写邦画No.1”などと伝えられているほか、9月公開の菅田将暉主演『ミステリと言う勿れ』も11月6日時点で興収44億円と健闘中。『ゴジラ-1.0』が初動の勢いを継続できれば、今年の実写邦画No.1に躍り出ることも夢ではないかもしれない。