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2023年10月期の注目ドラマ

2023年10月期、視聴者をイラつかせるドラマまとめ――『いち花』は主人公たちが「中二病」?

2023/11/06 08:30
仲宗根由紀子(エンタメライター)
GP帯初主演ドラマのテーマが「税金」の菊池風磨(写真:サイゾーウーマン)

 民放公式動画配信サービス「TVer」の利用者が急増したこともあり、SNS上でますます盛り上がりを見せている2023年10月期・秋ドラマ。放送中に実況者さながらに感想を投稿する視聴者も多く、それがドラマの評判に直結することも少なくない。

 そんな中、秋ドラマの感想を見ていると、登場人物や展開に「イライラする」という言葉がたびたび目に飛び込んでくる。そこで、現在放送中の連ドラの中から、特に視聴者をイラつかせているドラマを紹介したい。

『ONE DAY』シェフパートの展開進まずイライラ

 嵐・二宮和也、中谷美紀、大沢たかおがトリプル主演を務める“月9”ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)は、1日の出来事を1クールかけて描く“謎と愛と奇跡の物語”。

 現時点では、神奈川県・横浜を舞台に、銃殺事件の容疑者となった記憶喪失の男・勝呂寺誠司(二宮)、この事件の真相をスクープとして取り上げたい地方局キャスター・倉内桔梗(中谷)、店の命であるデミグラスソースを失ったレストランシェフ・立葵時生(大沢)の物語が同時進行している。

 この3つのパートがくるくると切り替わる際、毎回謎を残すのだが、それが見る者の想像力を掻き立てる一方で、その情報を頭に残しておかないといけないため、一部視聴者から「話がよくわからない」という指摘も多い。

 また、レストランのパートでは、時生が自身の不注意でデミグラスソースの鍋をひっくり返した後も、冷蔵庫のコンセントが抜けていることに気づかず食材をダメにしてしまったり、ディナーの仕込みもせず謎のシミュレーションを始めたりといったドタバタ展開が続いている。

 これに対し、視聴者からは「コミカルでかわいい」と好意的な声がある一方で、「シェフが無能すぎてイライラする」という意見もあるようだ。

『セクシー田中さん』木南晴夏への暴言にイライラ

 木南晴夏演じる地味OL・田中京子が、会社に隠してベリーダンサー・Saliとして活動する日常を描く『セクシー田中さん』(日本テレビ系)。劇中で京子に暴言を吐く商社マン・笙野浩介(毎熊克哉)のセリフが視聴者をイラつかせている。

 10月29日放送の第2話では、京子のベリーダンス姿を初めて見た笙野が、「あんたいくつだよ、おばさんが。なんつー格好してるんですか、痛々しい。よくそんな格好して人前で踊れますね」と言い放つ衝撃的なシーンが登場。

 後の場面でも、京子に対して「あんな衣装着て、男に媚び売って、わざわざ私はふしだらです、誤解してくださいって言ってるようなもんですよ! もったいないと思います」と固定観念を押しつける笙野に、「本気でムカついた」という視聴者が続出した。

 同時に、毎熊の演技力の高さが評価されているようで、「これだけ視聴者をイラつかせる演技力、すごい!」という声も相次いでおり、まさにハマリ役といえそうだ。

『コタツがない家』ダメ男の描写にイライラ

 小池栄子演じるウエディングプランナー・深堀万里江と、家族の日々を描く『コタツがない家』(同)。

 「ワタシが食わせる心配するな!」という宣伝コピーや、「戦力外の男たち」という第1話のタイトルからもわかる通り、廃業寸前の漫画家である夫・悠作(吉岡秀隆)、将来に迷走中の長男・順基(HiHi Jets・作間龍斗)、ヘンクツな父・山神達男(小林薫)のダメ男ぶりが連続して描かれる。

 これに対し、「イライラするけど、それをカバーできるほどの面白さ!」と称賛する視聴者がいる一方で、「うちの家族とリアルに重なってイライラするから、もう見たくない」という声も。イライラを面白さが上回るか否かで、意見が分かれているようだ。

『いちばんすきな花』中二のような主人公たちにイライラ

 昨年、大きな話題となった川口春奈主演ドラマ『silent』(フジテレビ系)の脚本家・生方美久氏とプロデューサー・村瀬健氏が再びタッグを組み、放送前から注目を集めている『いちばんすきな花』(同)だが、クセの強い脚本が肌に合わず脱落した視聴者も少なくない様子。

 同作は多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠がクアトロ主演を務め、人付き合いに苦悩する様子が描かれているが、「繊細なセリフのやりとりが心に刺さる」とのめり込む視聴者がいる一方で、「いい年して、悩みが中二レベルでイライラする」との指摘も目立っている。

『ゼイチョー』税金への不満思い出しイライラ

 Sexy Zone・菊池風磨主演『ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ系)は、税金の取り立てを行う“徴税吏員”にスポットを当てたヒューマンエンターテインメント。

 毎回、税金を滞納する市民に、主人公らが親身になって寄り添う様子が描かれるが、昨今の税制に不満を抱く視聴者たちは「税のあり方はおかしいだろって思ってるところに『役所はこんなに寄り添ってます』みたいなドラマやられても……」とイラ立ちを隠せないようだ。

 さまざまな理由で、視聴者をイラ立たせている秋ドラマ。展開としては“フリ”にすぎないものの、描き方次第では視聴者の離脱を招きかねないだけに、バランスが大切といえそうだ。

仲宗根由紀子(エンタメライター)

芸能誌の編集を経て、現在は国内・国外ドラマレビューを中心に執筆するライター。人気俳優のインタビュー経験多数。

最終更新:2023/11/06 08:39
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