ヘンリー王子夫妻と英王室を、米人気アニメ『ファミリー・ガイ』が痛烈ディス! どぎつい風刺で笑いものに
2月にアメリカで人気の風刺アニメ『サウスパーク』でコケにされたヘンリー王子とメーガン夫人が、今度はブラックユーモア満載の人気風刺アニメ『ファミリー・ガイ』で笑いのネタにされた。『サウスパーク』ではプライバシーの守られた生活を求めて世界中を飛び回り、被害者ヅラをしながら大騒ぎする「アホな王子とバカ妻」として描かれた2人だが、『ファミリー・ガイ』では「大したことをしないのに大金をもらえる怠惰な王子と夫人」として登場。彼らと共に英王室もディスられており、ネット上で話題になっている。
問題のシーンがあるのは、米FOX局で現地時間10月22日に放送された『ファミリー・ガイ』シーズン22エピソード3「A Stache from the Past」。
エピソードは、オツムが弱い主人公の中年男性ピーターがフリーマーケットで「昔はやったおもちゃ」を見つけて欲しがるところからスタート。しっかり者の妻ロイスから「どう考えてもぼったくりでしょ」「そんなお金はない」と阻止されるが、帰宅後も欲しいとウジウジ。
そんな時、テレビでトム・セレックが宣伝する怪しさ満点のリバース・モーゲージ(自宅を担保にした融資制度の一種)のCMが流れる。ピーターは速攻で申し込み、現金を入手。欲しかったおもちゃを購入する。それを知ったロイスは「詐欺だ!」と大激怒。ほかの人からもリバース・モーゲージは詐欺だと聞かされたピーターは、広告塔であるトムの居場所を探し当て、金を取り戻すと鼻息を荒くする。助っ人のおかげでトムを見つけ、詐欺被害は解決。「めでたしめでたし」という内容となっている。
そして、このピーターがトムから金を取り戻す時に言い放つ台詞が、「(金は)独自の方法で取り返すさ。ヘンリー王子とメーガン・マークルのように!」だったのだ。
この台詞の直後、水着を着てプールサイドチェアで日光浴をする半目のヘンリー王子とメーガン夫人が登場する。飲み物をストローですすりあげる王子に、王室で働いているような正装姿の男性執事が「サー、Netflixからあなた宛ての数百万ドル(数億円)でございます。誰も何に対する対価なのかは知りませんが」と言い差し出すが、王子は興味なさそうな表情で「ほかのと一緒にしておいてくれ」と返す。
やがて、夫人のスマホのアラームが鳴る。スマホを手に取った夫人は「あなた、デルタコから毎日25万ドル(約3,700万円)もらえるインスタグラム投稿をする時間よ」と告げるのだが、王子はこの上なくめんどくさいという表情で「ナンセンスで作り上げられた場所(王室)を離れるべきではなかったよ」とぼやく。デルタコとは、メキシカンファストフード店のことだ。
ピーターの台詞である「独自の方法=go it alone」という表現には、「独りよがり」という意味もあり、「何がなんでも自分たちは被害者!」と主張しているヘンリー王子夫妻にぴったり。Netflixと1億5,000万ドル(約225億円)で契約を結んだのに、大した作品を制作しておらず、世間から「なんでそんな大金がもらえるのかわからない」と白い目で見られていること、未投稿ながらすでに13万人近いフォロワーがいる夫人のインスタグラムで、今後いろいろな商品を宣伝して金稼ぎをするのではないかと注目されていることから、「メキシカンファストフード店のデルタコの案件だって、ありがたく受けるだろう」と笑いのネタにしたのだ。
また、最後にアメリカ人にとって完全には理解しにくい王室を「ナンセンスで作り上げられた世界」だと揶揄しており、ネット上では「ヘンリー王子夫妻のせいで、王室まで笑いネタにされた」「2人のせいで、王室までとばっちりを受けた」などと反感を買っている。
今回、「思いっきり怠惰なグータラ夫婦」として描かれたヘンリー王子夫妻だが、登場するシーンは一瞬なため、すぐには話題にならなかった。話題になったのはSNSで拡散されたからで、ネット上では「ここまで落ちぶれたか」と失笑されている。
一方で、「一瞬でもネタにしてもらったのだから感謝すべき」という声も上がっているが、王室ファンは「笑いのネタにする存在ではないのに」と複雑な思いを持っているようだ。
前回の『サウスパーク』放送後には、ヘンリー王子が番組のことを訴えるのではないかと一部メディアが報じたが、ヘンリー王子夫妻の代理人は「全く根拠のない、つまらない報道」だと否定。今回もネタにされたことが不快でも、コメントや訴訟は行わないものとみられている。
なお、アメリカの風刺アニメで王室が笑いネタにされるのは初めのことではない。『ファミリー・ガイ』の脚本家ゲイリー・ジャネッティは、2021年に米HBO Maxで配信された過激な皮肉満載の英王室アニメ『The Prince』を手掛けており、エリザベス女王やフィリップ殿下はじめ王族全員の浮世離れした日常をブラックユーモアたっぷりに描いており、イギリスでは「さすがにひどい」と批判する声が上がった。
ちなみに今回のエピソードの最大のディスり対象はリバース・モーゲージの広告塔を務めている大御所俳優トム・セレックであり、最後に「トムはあなたの祖父母にもリバース・モーゲージを売りつけますよ」と警告するというオチになっている。