『笑ってはいけない』復活は不可能か――松本人志らのモチベーション下げた“日テレの驕り”とは?
日本テレビは10月23日に行った定例会見で、2020年まで大みそかの恒例特番となっていたバラエティ特番『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけない』シリーズについて、今年は「編成中」とコメント。しかし、会見前に「日刊スポーツ」が「3年連続見送り」と報じ、業界関係者も「やはり今年も『笑ってはいけない』の復活はない」(芸能ライター)と記事内容に納得しているようだ。
『笑ってはいけない』はもともとダウンタウン・松本人志と浜田雅功を中心とした同局バラエティ『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の罰ゲームコーナーだったが、視聴者の間で爆発的な人気を博し、シリーズ化。2006年の「絶対に笑ってはいけない警察24時」以降、日テレの大みそか特番として定着していた。
しかし、20年の「絶対に笑ってはいけない大貧民GoToラスベガス24時!」を最後に、『笑ってはいけない』シリーズの放送は見送られている。21年と22年はナインティナインなど人気芸人を複数起用した『笑って年越したい!!笑う大晦日』シリーズがオンエアされた。
「ネット上には『笑ってはいけない』シリーズの復活を望む声が多く、『今年はどうなる?』と注目されていました。そんな中、日テレは今月23日に定例会見を行い、同局取締役専務執行役員・福田博之氏が大みそかの番組に関して『年末年始も含めまして、今、編成作業しているところ』とし、『笑ってはいけない』シリーズについては『もちろんチャンスがあればやりたい』ともコメントしたそうですが、『日刊スポーツ』によると同シリーズは『今年も放送を見送ることが決まっている』といいます」(同)
とはいえ、『笑ってはいけない』シリーズは明確に“今回が最終回”とアナウンスされたわけではない。それでも“見送り”が続いているのは、一体なぜなのか。
「かねてから伝えられているように、番組内容の詳細が正式発表前にすっぱ抜かれ、出演者のモチベーションダウンを招いたのが最大の原因。特に20年末の放送では、当時、不倫スキャンダルによって活動を休止していたアンジャッシュ・渡部建がサプライズ登場する予定でしたが、一部メディアによってスクープされ、出演者の中でも松本が特にこれを問題視。すでに収録済みだったという渡部の出演シーンはすべてカットされました。このすっぱ抜きが、翌年からの放送見送りを決定づけたのだとか」(同)
『笑ってはいけない』シリーズは、『紅白』と唯一互角に戦える番組だった
一方、日テレは「笑ってはいけない」シリーズの復活を熱望しているという。その理由は無論、同シリーズが高視聴率を稼ぐ超人気コンテンツだからだ。大みそかに放送されるようになって以降の“最高成績”は、13年の「絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時」で、第1部(午後6時30分~9時)の世帯平均視聴率は19.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録している。
「渡部が出演できなかった20年の『絶対に笑ってはいけない大貧民GoToラスベガス24時!!』も第1部で17.6%を叩き出していました。この高視聴率とあって、大みそかのテレビは同シリーズと『NHK紅白歌合戦』の一騎打ちという構図ができていたんです」(同)
『紅白』と唯一互角に戦える『笑ってはいけない』シリーズは、日テレにとっても大事な番組だったはずだが、局側の姿勢も出演者のモチベーションを下げる一因になっていたようだ。
「配信やDVDの売り上げも好調だっただけに、日テレとしては“あと10年は続けたい”と考えていたようですが、その一方で、局側が同シリーズを“放送して当然”という驕りが出てしまったことも、レギュラー陣の士気を下げていたといいます。つまり、もともと“確執”が生じていた中、渡部の件がトドメになったわけです。日テレによると、今年はまだ『編成中』だそうですが、スポーツ紙に『見送り』とすっぱ抜かれてしまい、松本らの説得をするどころではない状況。結局、日テレは今年も『笑ってはいけない』シリーズは諦め、芸人勢が多数出演するお笑い番組を放送するしかないのでしょう」(同)
もはや『笑ってはいけない』シリーズは、「復活不可能」(同)という声もあるが、日テレはいつまで「今年こそは」と叶わぬ夢にすがっていくのだろうか。