【2023年夏ドラマ視聴率ランキング】日曜劇場『VIVANT』が独走! 下位にフジテレビ作品並ぶ
『何曜日に生まれたの』が先日最終回を迎え、2023年7月期の連ドラの全話平均視聴率(民放4局、午後8~10時台)が出そろった。全話平均でランキングでトップになったのは、世帯平均14.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録した堺雅人主演の日曜劇場『VIVANT』(TBS系)だった。
初回放送までストーリーや役柄を一切明かさないという異例の宣伝方法がとられた同作。初回は11.5%を記録し、同枠前クールの『ラストマン-全盲の捜査官-』の初回14.7%を大きく下回ってしまった。ただ、第3話で13%台、第5話で14%台と盛り返し、最終回は19.6%まで上昇した。
そんな最終回に関しては、キャストの嵐・二宮和也が、9月24日放送のラジオ番組『BAY STORM』(bayfm)で裏話を披露。二宮は「最後の最後の結末は台本とは違う結末なんですよ」「単純にオンエア見て、『変わってる!』って見てた」と語り、自身がもらった台本とオンエアでは展開が違っていたことを明かしている。
『科捜研の女』最終回に不満が続出したワケ
2位は、中村倫也が主演を務めた『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)で、全話平均は9.3%。最終回では自己最高となる10.6%を記録し、こちらも有終の美を飾った。
「面白い」と評判の池井戸潤氏の同名小説が原作とあって、放送前から期待されていた『ハヤブサ消防団』。スタートしてからも評判は落ちず、『VIVANT』同様に熱心なファンがついていたようだ。
また、絶妙なキャスティングが話題となっていた同作。中でも文芸誌編集者・中山田洋を演じた山本耕史のコミカルな演技が「名脇役」とネット上で話題になった。
3位は、同じくテレビ朝日系の沢口靖子主演『科捜研の女 season23』(同)で、全話平均は9.0%。今シーズンは放送期間が8月16日~10月4日と短く、通常よりも少ない全8話で終了したため、視聴者から「もう終わっちゃうの? 今シーズン面白かったから、もっと見たかった」と不満の声が相次いだ。
同作は長年、人間味あふれるコミカルな作風が特徴だったが、昨年放送の『season22』で突如、スタイリッシュかつミステリアスなテイストに一新。
これが視聴者の間で物議を醸したためか、『season23』の初回では、主人公・榊マリコ(沢口)の口から「予算」と「葉酸」をかけたダジャレが飛び出すなど、全体的に以前の作風に戻った印象だった。
“全滅”のフジテレビをも下回るワースト1位は……?
残念ながらワースト1位となったのは、飯豊まりえ主演『何曜日に生まれたの』(同)で、全話平均は3.3%。4月より新設された日曜よる10時台の朝日放送テレビ制作枠で放送されたが、前クールの清野菜名主演『日曜の夜ぐらいは…』の全話平均4.7%を1.4ポイント下回ってしまった。
大御所脚本家・野島伸司氏が手掛ける同作は、引きこもり歴10年の主人公・黒目すい(飯豊)が、漫画家の父・丈治(陣内孝則)と売れっ子小説家・公文竜炎(溝端淳平)によるコラボ漫画の「モデルになってほしい」と依頼を受ける物語。
野島ワールドにどっぷりハマった視聴者も少なくなかったようだが、「ラブストーリーか、ミステリーか、人間ドラマか、社会派か。先が読めない予測不能の衝撃作」というぼんやりとしたキャッチコピーゆえか、大きな話題にはならなかった。
ワースト2位は、若村麻由美演主演『この素晴らしき世界』(フジテレビ系)で、全話平均3.9%。初回は5.4%で発進したが、第4話から最終回まで3%台が続いた。
同作は主演を務めるはずだった鈴木京香が撮影前に体調不良で降板し、急きょ若村が登板。全9話に加えて最終回の翌週に「特別編」が放送され、これも世帯平均3.3%と低調だった。
なお、今期のフジテレビは不作で、下位に『転職の魔王様』『ばらかもん』と同局のドラマが並ぶことに。最も視聴率が高かった月9『真夏のシンデレラ』でさえ、全話平均は5.6%と“月9史上最低”を記録しており、フジドラマの壊滅ぶりが目立ってしまった。
『VIVANT』の独走状態となった今夏ドラマ。同作は続編のうわさも飛び交っており、TBSの人気ドラマシリーズとして長く続く可能性もありそうだ。