バイデン大統領の愛犬、ホワイトハウス追放で炎上! 歴代「ファーストペット」まとめ
バイデン大統領夫妻の愛犬コマンダーが、事実上ホワイトハウス退去になったと報じられている。バイデン大統領の愛犬が退去になるのは、シークレットサービスや警備員らにかみついて退去になったメイジャーに続き2匹目。コマンダーもシークレットサービス隊員への“かみつき事案”が11件に達したことを受けての判断となった。
ネット上では、「今のシークレットサービスは信用できないから、犬が大統領をお守りしたんだ!」「しつけもできない犬を連れてくるなんて。シークレットサービスやスタッフのことを考えていないから、こんなことが起きるんだ!」と賛否両論。大炎上している。
2021年12月からホワイトハウスで暮らしていた2歳になるジャーマンシェパードのコマンダーが、シークレットサービスの隊員にかみつきまくっていると報じられたのは今年7月のこと。
保守系の行政監視団体が情報自由法を通して入手した政府の内部Eメールにより、コマンダーが4カ月のうちに10件もシークレットサービス隊員にかみつくという事案を起こし、うち1人は病院で治療を受けるほどの傷を負ったことが発覚。ホワイトハウス側は、しつけ訓練を受けさせる予定だと説明した。
だが、しつけ訓練の効果はなかったようで、5日、米「CNN」はコマンダーによる“かみつき事案”は現在までに報告されている11件よりもはるかに多く、ホワイトハウスの医療班の治療を受けるほどの傷を負った事案、傷を負ったが治療は受けず報告もしなかったケースなども多数あったと報じた。
その後、大統領夫人の広報担当者が「現在コマンダーはホワイトハウスにはおらず、今後どうするかは検討中」だと発表。「大統領夫妻はホワイトハウスで働く人々の安全が最も重要だと考えている」と述べたことから、事実上の退去だろうとみられている。
ホワイトハウス初の保護犬だったメイジャー
2021年1月に大統領に就任したバイデン大統領は、ジャーマンシェパードのチャンプとメイジャーを連れてホワイトハウスに入居。チャンプは、08年の大統領選でオバマが勝ったら犬を購入すると妻ジルに約束して、ブリーダーから迎えた愛犬。メイジャーは、獣医から「年老いたチャンプに元気を与えてくれるだろう」とアドバイスされ、18年にデラウェア州動物愛護協会のシェルターから迎え入れた若い保護犬で、「ホワイトハウスに住む初の保護犬」として大きな話題になった。
人気者としてファーストドッグライフが始まったメイジャーだったが、見慣れぬ人が多い環境になかなか慣れず、警備員やスタッフ、国立公園局職員に飛びついたりかみついたりする事案が発生。しつけ訓練学校送りになったが、改善されず、結局、2匹ともホワイトハウスから退去させられることに。
老犬だったチャンプは家族に見守られながら21年6月に13歳の犬生を終え、メイジャーは、静かな環境で生活したほうが良いとのことで、大統領の地元デラウェア州に住む一家の友人家族に引き取られた。
「CNN」によると、メイジャーはシークレットサービスの隊員にもかみついたそうで、そのことがきっかけで大統領夫妻とシークレットサービスの間に緊張感が発生したとのこと。チャンプが亡くなったことで迎えられた子犬がコマンダーで、この子ならとホワイトハウスに連れてきたのだが、両者の緊張感を感じたのか、シークレットサービスの隊員ばかりをかみまくっていたようだ。
ネット上では、「ジャーマンシェパードは、飼育が難しいからね。ゴールデンレトリバーとか、もっと人懐っこい犬種にしたらよかったのに」という声、「これがトランプ元大統領の犬だったら、1回のかみつき事案で“大統領辞任しろコール”が巻き起こっていただろうね」という意見も。さらには、14年にバイデン大統領の息子ハンターがコカイン検査で陽性になり、米海軍予備役を除隊させられたこともあり、「ハンターのコカインを吸って攻撃的になってるんじゃないの?」「ペットは飼い主に似てるっていうから攻撃的なのかもね」という意地悪い書き込みも見られる。
農場出身のファーストキャットは人気者!
ホワイトハウスには、22年1月からペンシルベニア州の農場出身のウィロウというファーストキャットも住んでおり、こちらはマイペースでスタッフからの人気も高い。毎晩のように大統領と添い寝するそうだが、ネット上には「さすがに猫じゃ大統領をお守りできないでしょ」と、ファーストドッグがいなくなり大統領の身を案ずる声が続出している。
新薬開発における動物実験の義務付けを外す法案「FDA近代化法」に署名し、動物愛護団体から高く評価されているバイデン大統領だが、チャンプとメイジャーがトランプ元大統領の人形にかみつき、取り合う動画を孫がSNSに投稿し、トランプ支持者から「政治に犬を使うとは何事か」と叩かれたこともあった。
まるで動物園! 歴代大統領のファーストペットたち
一方、トランプ元大統領にはペットがおらず、ホワイトハウス入りしてからも飼っていなかったが、これは非常に珍しいケース。歴代の大統領はホワイトハウスでペットを飼い、そのペットたちはファーストペットと呼ばれ、人気を集めてきた。
初代大統領ジョージ・ワシントンは、大型犬のほかにロバや馬をホワイトハウスで飼い、第3代大統領トマス・ジェファーソンは子グマを、第8代大統領マーティン・ヴァン・ビューレンは子トラを2頭飼育。
第35代大統領ジョン・F・ケネディも、父親から贈られたジャーマンシェパードを飼っていたが、クリッパーという名前のこの犬はジャクリーン夫人によく懐いた賢い犬だったと伝えられている。旧ソ連の指導者フルシチョフから贈られたプシンカなど、たくさんの犬がホワイトハウスに住んでいたが、クリッパーがまとめ役だったそうだ。
また、娘のキャロラインがトム・キトンという名の猫を飼っていたが、アレルギーがあったため、ケネディ元大統領はあまり触らなかったと伝えられている。ほかにもハムスター、鳥、うさぎ、馬にポニーまでおり、ケネディ時代のホワイトハウスは、ちょっとした移動動物園のようだったようだ。
ビーグル犬が好きで4匹も飼っていた第36代大統領リンドン・ジョンソンは、白い雑種犬も飼っており、ユキ(日本語の「雪」)と命名してかわいがり、一緒のベッドで寝ていたと伝えられている。
第38代大統領ジェラルド・フォードは、ゴールデンレトリバーのほかにシャンという名のシャムネコを飼っており、その美しい毛並みが話題に。続いて大統領になった第39代大統領ジミー・カーターもゴージャスなシャムネコを飼っていた。
第40代大統領ロナルド・レーガンは、犬種が異なるたくさんの犬のほかに馬も飼っており「さすが元西部劇俳優」だと話題に。第42代大統領ビル・クリントン夫妻は黒と白の美しい猫のソックスを飼っていた。しかし、ソックスは後にホワイトハウス入りしたラブラドールレトリバーのバディと超絶不仲だったことが知られている。
オバマ元大統領の愛犬はホワイトハウスの人気者に
近年では、第43代大統領ジョージ・W・ブッシュは、猫のインディアのほかに、スコティッシュテリアのバニーとミス・ビーズリー、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルのスポットを飼っていた。スポットは父親で第41代大統領ジョージ・H・W・ブッシュの飼い犬の子どもで、ホワイトハウス生まれの珍しい犬だった。
第44代大統領バラク・オバマは、09年にエドワード・“テッド”・ケネディ元上院議員から贈られたポーチュギーズ・ウィーター・ドッグのボーと、13年にボーのお嫁さんにと同犬種のサニーを迎え、話題に。2匹ともホワイトハウスの人気者となり、訪問者との写真撮影にも応じるほど、おとなしかったそうだ。
ちなみに、かみつき事案が問題になったのはバイデン大統領の愛犬たちが初めてではなく、第32代大統領フランクリン・ルーズベルトのジャーマンシェパードのメイジャーも元上院議員にかみつき、ラムゼイ・マクドナルド元英首相を攻撃してズボンをビリビリに破るという大失態を犯した。
第26代大統領セオドア・ルーズベルトのブルテリア、ピートもかみつき事案が多く、当時のフランス大使のズボンをビリビリに破ったと伝えられている。
今回のコマンダーの件についてだが、多くのメディアは、犬は新しい環境に慣れるまで時間のかかる動物であり、飼い主に従順なことから、敵だと認識した人に対し攻撃的になるのは仕方のないことだという専門家の見解を紹介し、理解を示している。ネット上では、猫派の「ウィロウの1匹勝ちだね!」と喜ぶコメントも多く書き込まれている。