ジャニーズ事務所に“不利な報道”、「スノストTOBE合流説」報じた御用メディアの変化とは?
ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長の“辞任”が、8月30日付のスポーツ各紙で一斉に報じられた。前日に行われた、創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題をめぐる再発防止特別チームの提言を受けての措置だというが、そんな中、「スポーツニッポン」は、Snow ManとSixTONESの一部メンバーが、滝沢秀明氏の新会社「TOBE」に合流する可能性も報道。ジャニーズの“御用メディア”として知られるスポーツ紙が、同社の人気グループメンバーの離脱説を記事化したとあって、業界内も衝撃を受けているようだ。
ジュリー社長の辞任については、すでに1カ月ほど前から関係者の間ではうわさされていたというが、今回のスポーツ紙報道で「確定」したといわれる。
「タイミングと内容が、明らかに足並みをそろえているものだけに、ジャニーズ事務所自らが情報提供したものと考えられます。しかし、結果的にその前日、アンチジャニーズ媒体である『週刊文春』(文藝春秋)のウェブに先出しされてしまいましたが……」(週刊誌記者)
ファンの間にも広く知れ渡っているジャニーズ事務所とスポーツ紙の蜜月関係。以前からスポーツ紙各社は「ジャニーズから手厚くもてなされ、事前に情報をもらったり優先的に取材をさせてもらえるなどで、まさに切っても切れない関係」(同)となっていた。
そんな中、「スポニチ」が、ジャニーズにとっては最も報じてほしくないであろう“スノストメンバーの退所説”を大々的に報じた事実は、明らかな異常事態といえそうだ。
「特別チームは会見で、マスメディアがジャニー氏の性加害問題を正面から取り上げてこなかったことにも言及。『ジャニー氏の性加害が長期にわたった、あらためることをジャニーズ事務所がしなかった背景には、マスメディアの沈黙という状況が関係している』と、その報道姿勢を批判しました。『スポニチ』がジャニーズの意にそぐわない報道を行ったのも、性加害問題に沈黙してきたことへの反省からではないでしょうか」(同)
新潮社も「ジャニーズが嫌がりそうな記事」を配信
同じく新潮社も、ジャニーズ事務所とは懇意な関係にあり、毎年、公式カレンダー利権にあずかっている出版社。しかし、同社のニュースサイト「デイリー新潮」は再発防止特別チームの会見翌日、なにわ男子がメインパーソナリティーを務めた今年の『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』(日本テレビ系)について、「低視聴率で局内はお通夜ムードだった」という、明らかにジャニーズが嫌がりそうな記事を配信した。
「御用メディアの“変化”は、ジャニーズが過去最大級に弱体化していることも原因でしょう。スポーツ紙は、“特オチ”――つまり、事務所サイドから記者会見などの出禁や取材拒否の措置を取られ、自社だけが情報をもらえないことを最も恐れますが、現在、たとえジャニーズに不利な情報を報じたとしても、同社がそんな措置を取るとは思えませんからね」(芸能プロ関係者)
御用メディアの身の振り方を「手のひら返し」と批判するマスコミ関係者もいるが、騒動の根本的な解決の道筋として、「メディアサイドの忖度をなくす」ことは重要だろう。長い目で見れば、こうした報道こそがジャニーズの前向きな未来につながるのかもしれない。