『バチェラー5』女のバトルからシスターフッド推しへ! 恋リアウォッチャーの抱いた“違和感”とは?
8月3日から配信がスタートした婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』シーズン5(Amazon プライムビデオ)が、完結を迎えた。今作のバチェラー・長谷川惠一さんは、これまでの圧倒的ハイスペックなバチェラーと違い、起業したての元プロバスケットボール選手。口下手な面もあり、番組から付けられたキャッチフレーズは「この男、名バチェラーか。それとも、迷バチェラーか。」。配信前から、ネット上では長谷川さんの起用に賛否が分かれたが、実際のところはどうだったのか!? 最終エピソードまで視聴した恋愛リアリティーショーウォッチャーが振り返る。
※本記事は『バチェラー・ジャパン』シーズン5のネタバレを含みます。
「迷バチェラー」疑惑の長谷川惠一さんは成長したのか?
今回のバチェラー・長谷川さんは、2022年配信の『バチェロレッテ』シーズン2に参加していた男性陣の一人。その出演を踏まえ、長谷川さんは今作でも「言語化がヘタ」「気持ちを伝えるのが苦手」「言葉にするのに時間がかかる」といった点が自分の欠点だと語っていた。
確かに、ソロでのインタビュー映像はほとんど棒読みで、ロバートのコント「アスリートCM講習会」(※)そのものだった。そういう点を長谷川さんなりに克服しようと頑張ったのか、彼は終盤になるにつれ、複数の女性に「好き」の言葉を繰り出す。それどころか頬へのキス、口へのキスを連発していた。
※アスリートがCMで見せる“棒読み”のセリフ回しにスポットを当てたコント
長谷川さんは「今残っている人、全員好き」という状態になっていたのだろう。その気持ちを素直に行動に移してみた様子だった。加えて、“思ったことをすぐさま言っちゃう”状態にもなっていた長谷川さん、確かに言語化のスピードは上がっていたかもしれないが、表現のクオリティーは下がっていた気がする。また、女性メンバーとの会話もどことなく表面的で、女性が自身の病気や、シングルマザーに育てられたことなどを開示してくれているのに深く堀り下げることもほとんどなく、トークスキルの点ではそこまで成長していなかったように見えた。
一方、いいぞ長谷川さん! と思えるシーンもあった。エピソード2のグループデートで、結婚後は順調に子どもができる前提で、女性陣に子育ての話題を振った長谷川さん。センシティブな話題だけに、一部の女性から「産む前提で話が進んでいた」「子どもができない可能性を考慮していない」「みんなの前でする話題ではない」と反発の声が上がった。
それを知らされた長谷川さんは、「100%授かれるわけではないし、産まないという選択もできる中で、子どもがいる前提で話してしまった」と素直に反省。話してくれた女性には「ありがとう、話してくれて」と感謝を伝え、カクテルパーティー前には全員の前で「私の不用意な会話で悲しませてしまった方、本当にごめんなさい。気づかせてくれた方、ありがとうございます」と伝えた。
人からの指摘に反発したり、いじけたりせず真摯に受け入れられ、自分が悪いと思ったらちゃんと謝れる――これは、変なプライドがあると、なかなかすんなりとはできないこと。長谷川さんのような男性は、結婚相手として貴重な存在といえるだろう。この素直さこそ、長谷川さんはまだまだ成長の余地があると感じさせるものだと思った。
それと同じく、38歳にして、キスの前に「キスしてもいいですか」と律儀に許可を得る姿も、「制作側から事前に『性的同意を取るなど』のコンプライアンス研修を受け、それを忠実に実践しているのだろうな……」と思わせる素直さが表れていたように思う(ファイナルローズ前に複数人にキスしてしまう点はさておき)。
言語化スピードが速いのはもちろんだが、素直さや、ちゃんと謝れるのも立派なコミュニケーション能力の一つ。長谷川さんには無理に言語化スピードを上げることを目指さず、こっち方面を磨いていってほしい!