花江夏樹も『VIVAN』に顔出し出演! 業界関係者が選ぶ、俳優活動に期待される声優2名
アニメ『鬼滅の刃』(TOKYO MX、フジテレビ系ほか)シリーズの竈門炭治郎役で大ブレークした声優・花江夏樹が、8月20日放送の連続ドラマ『VIVANT』(TBS系)にニュースキャスター役で出演し、アニメファンや声優ファンの間で話題を呼んだ。
TBSの看板ドラマ枠「日曜劇場」で放送中の同作は、自衛隊秘密部隊“別班“と、国際テロ組織“テント”、公安の三つ巴の闘いを描いたアドベンチャードラマ。商社マンに擬装した自衛隊秘密部隊“別班“メンバーの主人公・乃木憂助を堺雅人が演じており、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、嵐・二宮和也ら、豪華俳優陣が脇を固めている。
20日放送の第6話では、乃木がテントのリーダー、ノゴーン・ベキ(役所広司)は、幼少期に生き別れた実の父であると知りがく然。一方で、公安警察・野崎守(阿部寛)も乃木が別班のメンバーだと気づき、彼の後を追う――というストーリーを展開。花江は、空港のモニターに映った速報ニュースを読み上げるアナウンサー役で“顔出し出演”し、ネット上では「声のみの出演だと思ってた」「まさかアナウンサー役で出るとは!」などと反響が集まった。
「なお、花江は、2019年12月放送の『探偵が早すぎる スペシャル 前編』(日本テレビ系)に司会者役で出演し、ドラマデビュー。21年1月期放送の連ドラ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)第2話にも漫画家役で登場しており、顔出しでのドラマ出演は、今回で3回目となります」(芸能ライター)
花江に限らず、宮野真守や木村昴ら、近年、ドラマや映画に顔出し出演する声優は増えてきている印象だ。しかし、かつては声優という職業は以前までは“裏方仕事”という位置づけで、「俳優になれなかった人が、小遣い稼ぎのために声優仕事をするパターンがほとんどだったため、声優は俳優よりも格下扱いされていた」(声優業界関係者)という。
「10年前くらいから、声優という職業の一般認知度が上がり、アニメやゲームの声を当てることに憧れて、声優を目指す人も多くなりました。現在活躍している20〜40代の現役声優たちのほとんどが、もとから声優になりたくて業界に入った人たちでしょうから、顔出しで俳優業をするようになるなんて夢にも思わなかったのでは」(同)
俳優や芸人が訴求力を期待されてアニメ映画や洋画の声優を務めることが多くあるように、逆のパターンで声優をドラマや映画に起用すれば、声優ファンを取り込めるというメリットがあるだろう。そのため、前出の業界関係者は、声優自身自身も、話題作りのためにキャスティングされたことを理解しており、「あくまでも“記念出演”と捉え、俳優として活躍したいと思っている人は少ない」(同)とも指摘する。
“顔出し”の声優仕事がイマイチな声優3人とは?
そんな中、俳優としても成功していると評価される声優は以下の2名だとか。
「『名探偵コナン』(日本テレビ系)シリーズの小嶋元太役でおなじみの高木渉と、『美少女戦士セーラームーン』(テレビ朝日系)シリーズの月野うさぎ/セーラームーン役で知られる三石琴乃です。2人は同じ『劇団あかぺら』に所属していて、海外の戯曲を演じていました。ずっと舞台をやってきた人たちですから、ドラマでの顔出しの芝居もきちんとできますし、もちろん、声優としての技術も評価が高いです」(同)
一方で、顔出しの俳優仕事があまり評価されていない人物については、以下のように語る。
「『進撃の巨人』(毎日放送ほか、NHK総合)シリーズでエレン・イェーガー役を務める梶裕貴は、『声優』という殻を破れずに芝居をしているタイプ。また、『ドラえもん』(テレビ朝日系)でスネ夫の声を担当する関智一は、3枚目の役のほうが光るタイプなのに、かっこいい役柄を演じる機会が多く、そのミスマッチ感が残念ですね」(同)
俳優として活躍しそうな声優は、榎木淳弥と上坂すみれ
では、今後、俳優として活躍が期待できる声優はいるのだろうか。
「『呪術廻戦』(TBS系)シリーズの虎杖悠仁役で知られる榎木淳弥です。ルックスもいいし、芝居もなかなか良い。女性声優では、『スター☆トゥインクルプリキュア』(テレビ朝日系)のユニ/キュアコスモ役をはじめ、人気作品のキャラクターを多く演じている上坂すみれ。彼女も整った顔立ちで、高いキーのいわゆる“アニメ声”ではないため、ドラマや映画でも演技が浮かないと思います」(同)
なお、榎木はドラマ『ボイスII 110緊急指令室』(日本テレビ系、19年7月期)第4話に出演しており、上坂も声優になる前の子役時代に『受験の神様』(同、07年7月期放送)に出演した過去を持つ。今後、2人を再びドラマで見られる機会が来ることを期待したい。