サイゾーウーマン男性アイドルSTARTO(旧ジャニーズ)二次加害するジャニーズファンの心理 男性アイドル インタビュー なぜジャニーズファンは、性被害の告発者を誹謗中傷するのか? 臨床心理士が語る“暴走”の理由 2023/08/29 15:30 サイゾーウーマン編集部 ジャニーズインタビュー 「ジャニーズ事務所は被害者」二次加害を堂々と行うファンの認識 アイドルと自身の絆を壊されたくないという気持ちは理解できるが、「性被害者への二次加害はしてはいけない」という倫理観を見失うほどの行為に出てしまうのはなぜなのか。杉山氏は、二次加害を堂々と行っているジャニーズファンは、「おそらく被害者をすり替えていて、ジャニー氏並びにジャニーズ事務所が『被害者』という認識」と指摘する。 「『絆スタイル』の人にとって、絆を感じる対象は“自分の一部”ですので、対象の所属する事務所も大事な一部。性被害の告発者を『自分を傷つける敵』とも認識してしまいます。敵に苦痛を与えることは“快楽”であり、そのモードが全開になると、自分のやっていることが正しいのか、間違っているのかの判断を失ってしまうのです」 こうしたファンの中には、告発者の証言が嘘である証拠を探すだけでなく、メディアや著名人の過去のジャニーズ批判を掘り起こして非難する者も見られるが、杉山氏の目には「敵を追い詰めているという実感から、アドレナリンやドーパミンが出て、脳が興奮状態になっている」ように映るという。 「絆スタイル」になりやすい性格の人とは? なお、「絆スタイル」になりやすい人には、もともと「敏感で悲観的になりやすい」「ドーパミンによる高揚感を好む」「社会的に協調性は獲得しているものの、実際には人に合わせるのが嫌い」といった性格の傾向があると杉山氏。 「悲観的になりやすいのに高揚感を好むというのは、矛盾しているといえますが、こういった性格の人は、ゆえに『こんなはずじゃない』『何かがおかしい』という不全感による葛藤が強い。人との交流を好むタイプであれば、その中で葛藤が緩和されるのですが、人に合わせるのが嫌いな場合は、それもできない。となると、自分が主導権を持ち、好きな時に絆を感じられる“アイドル”という存在に救いを見いだすようになるんです」 「アイドルに救われている」と感じるファンはたくさんいるだろうが、それが性被害者への誹謗中傷につながってしまうのは断じて許されない。 「『絆スタイル』の人は対象を美化するための妄想や、敵をこき下ろすための妄想が暴走しやすいんです。現実検討能力を失いがちで、現実社会で逸脱した行動に出て、結果的に人を傷つけてしまうことが少なくありません」 ジャニー氏の性加害問題をめぐっては、今後も事務所の対応や被害者のケアなど、さまざまな論点で議論が繰り広げられるだろう。その一つに、被害者への誹謗中傷問題も挙げられるが、一部のファンを加害に走らせる“心理”を把握することの重要性を実感させられる。 杉山崇(すぎやま・たかし) 神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授。公益社団法人日本心理学会代議員。子育て支援、障害児教育、犯罪者矯正、職場のメンタルヘルスなど、さまざまな心理系の職域を経験。『いつまでも消えない怒りがなくなる 許す練習』(あさ出版)など著書多数。 水着Jr.、エロハンガー……「自分も性的搾取していた」ジャニー氏の性加害報道めぐるジャニオタの矛盾とつらさ ジャニー喜多川前社長の性加害報道でジャニーズ事務所が大きく揺れている。日本のみならず世界から今後の対応が注視され、矢のように批判が降り注ぐ中、一方でジャニオタから...サイゾーウーマン2023.07.27 ジャニー氏の性加害報道、「ジャニオタの罪」とは? 「物語として考えてた」加害者意識に向き合う ジャニーズ事務所が大きく揺れている。故ジャニー喜多川前社長の性加害報道だ。日本のみならず世界からその対応が注視され、事務所批判が矢のように降り注ぐ中、一方でジャニ...サイゾーウーマン2023.07.27 Snow Man・ラウールは未成年で「桶ダンス」……メディア研究者に聞く男性アイドルの性的消費問題 ジェンダーや人権をテーマに取材をするライター・雪代すみれさんが、アイドルに関する“モヤモヤ”を専門家にぶつける連載「アイドルオタクのモヤモヤ」。今回のテーマは、「男...サイゾーウーマン2023.07.31 前のページ12 サイゾーウーマン編集部 芸能・ジャニーズ・美容・暮らし・カルチャーなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト X:@CyzowomanC Instagram:@cyzowoman オンナを刺激するニュースブログ[サイゾーウーマン] 最終更新:2023/08/29 15:30 仲の良かったジャニオタ友達と縁が切れた人もいるのでは…… 関連記事 水着Jr.、エロハンガー……「自分も性的搾取していた」ジャニー氏の性加害報道めぐるジャニオタの矛盾とつらさジャニー氏の性加害報道、「ジャニオタの罪」とは? 「物語として考えてた」加害者意識に向き合うSnow Man・ラウールは未成年で「桶ダンス」……メディア研究者に聞く男性アイドルの性的消費問題ジャニーズファンが避けてきた「ジャニー氏の性加害」問題――研究者に“向き合い方”を聞いたジャニーズはファンをバカにしている――経営コンサルタントが、性虐待問題めぐる“不祥事対応”を考察 次の記事 キンプリ・高橋の自信満々発言 >