滝沢氏や嵐の“兄貴分”ヒロミ、カズレーザーも……なぜ芸能人がジャニーズ批判をしだしたのか?
8月4日、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の専門家が、ジャニーズ事務所創業者で前社長のジャニー喜多川氏(2019年7月に死去)の“性加害問題”について、元所属タレントや事務所への聞き取り調査を行ったとして会見を開いた。
あらためて、業界内外で同問題に対する注目が高まっており、情報番組などでもこの件を取り上げているが、「一部ネット上では、ジャニーズに厳しい発言をした番組出演者に批判が寄せられてしまっている」(芸能ライター)ようだ。
生前のジャニー氏には長年、所属の未成年タレントらに性虐待を行っていた疑いがあり、今年3月には、BBC(英国放送協会)のドキュメント番組がこれを特集。その後、ジャニーズ批判の急先鋒である「週刊文春」(文藝春秋)を中心に、ほかの週刊誌やテレビ番組でも次第に同問題が報じられるようになり、5月14日には事務所の現社長・藤島ジュリー景子氏が顔出しのビデオメッセージという形で、謝罪コメントを出した。
「ジュリー氏は、叔父にあたるジャニー氏の性加害行為について『知りませんでした』と述べつつ、頭を下げた。そして被害者に対しては、『カウンセラーをはじめ、専門家の力をお借りしつつ、誠実に向き合ってまいります』と話していました」(同)
ヒロミ「ジュリー氏は失敗」発言、カズレーザーはジャニーズ忖度に言及
一方、今回の国連専門家による会見では、「数百人ものタレント」が「性的搾取と虐待に巻き込まれるという深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」「被害者へのメンタルケアが不十分」などと報告され、今後も調査を進めていくと宣言。同会見は情報番組でも扱われ、8月6日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)でも話題に上がった。
「同番組のMCを務めるタレント・東野幸治が『ジャニーズ事務所のこの問題に対する対応は遅い』と指摘すると、出演者のヒロミは『それはもう早くしたほうがよかったと思いますよ、最初から』と発言したほか、ジュリー氏が5月の時点で『知りませんでした』と言っていたことについて『やっぱよくなかった』『経営者としたら失敗したなとは思います』との見解を述べました」(同)
また、同日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、ゲストのメイプル超合金・カズレーザーが、メディアがジャニーズに“忖度していない”というスタンスを取ってきたのは「建前」で「間違いなく嘘」などと言及。
「このように“メディア側の忖度”や“ジャニーズによるメディア支配”なども批判したカズレーザーと、“ジャニーズの対応の遅さ”や“ジュリー氏のミス”を指摘したヒロミ。ともにジャニーズタレントと共演する機会も多いとあって、ジャニーズ事務所を擁護するファンからは批判的な声が続出する事態となっています」(同)
特にヒロミは、1998~99年にジャニーズJr.がメイン出演していたバラエティ『8時だJ』(テレビ朝日系)で司会を担当し、のちに事務所副社長などを務めた滝沢秀明氏(2022年10月末に退社)や嵐、関ジャニ∞らの“兄貴分”として知られている。
「それだけに、ジャニーズ擁護派のファンが、『ヒロミって風見鶏でズルい』『手のひら返しかよ』『しょせんは滝沢派』などと激怒しているんです。ジャニーズと親しくしてきたヒロミが、熱狂的なファンの存在を知らないはずがないので、なぜ真っ向からジャニーズを批判をするに至ったのか……」(同)
ジャニー氏の性加害問題に「発言したくない」――芸能人コメンテーターのスタンス
その点はヒロミ本人のみぞ知るところではあるが、この性加害問題が表面化してワイドショーなどに取り上げられるようになった当初、タレントがここまで明確にジャニーズを非難することはなかった。
「芸能人コメンテーターらは、ジャニーズタレントと共演しづらくなるかもしれないという理由から『この話題を番組で取り上げないでほしい』『発言したくない』というスタンスだったといいます。しかし、最近では被害者の告発が相次いでおり、国連まで動き出したとあって、ジャニーズと共演していても、批判しないほうがよくないといった風潮が生まれているんです」(スポーツ紙記者)
実際、シンガーソングライターの山下達郎や“デヴィ夫人”ことデヴィ・スカルノ氏は、批判ではなくジャニーズ寄りの発言をして、バッシングが吹き荒れた。
「結局、ジャニーズに苦言を呈しても、同社の擁護派からは猛烈に非難されるのですが、タレント側もそういった声は気にしていない様子。そもそもジャニーズ側も、芸能人コメンテーターにヘタに擁護されると、批判の矛先が事務所に向くだけに、それは求めていないはずです。そういう状況の中で、芸能人コメンテーターが事務所を批判するのが自然な流れになってきています」(同)
問題の解決、沈静化にはまだ相当の時間を要するとみられる中、今後もヒロミやカズレーザーのように、ジャニーズ批判によって波紋を呼ぶタレントが出てきそうだ。