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ホラー映画おすすめ10選

ホラー映画おすすめ10選|米カルチャーメディア「現代ホラーの頂点」、アマプラ配信作8本

2023/08/05 18:00
堀川樹里(ライター)
写真ACより

 夏といえば怖い話を聞きたくなるもの。今年の酷暑はなおさら、背筋がゾクッとするものがほしくなりますよね。そこで、サイゾーウーマンではアメリカのカルチャーサイトで発表されたランキングを参考に「最も怖いホラー映画・10選」を選出しました。なお、誰もが知る往年の名作ホラーがランキング上位を占めることもあり、今回は2015年以降に公開されたものを対象にしています。

 暑くて寝苦しい夜は、ホラー映画を見るのも一興ですよ! 暑い夏のお供にぜひチェックしてみてください。

※2019年11月16日公開の記事に加筆

最も怖いホラー映画1:『ブレア・ウィッチ』(16)

 6万ドル(約650万円)という低予算で制作された、ホラーの名作『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)。「ブレアの魔女(ブレア・ウィッチ)伝説を検証するために森に入った学生3人。彼らが消息を絶ってから1年後に森の中で発見された、恐怖の映像の数々を編集した」という設定で撮影されたモキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)ホラーの先駆けであり、撮影者と鑑賞者が同じ視点を持つPOV(Point of view)という手法も相まって世界的な大ヒットとなった。翌年『ブレアウィッチ2』(00)が公開されたが、正統な続編は16年公開の『ブレア・ウィッチ』である。

 『ブレア・ウィッチ』は、「前作で消息を絶った学生の弟が、姉を捜すために森に入る」ところから始まり、ドローンやGPSなどの最新機器を使いながら、森に挑む姿を追う。本作も臨場感あふれるPOVモキュメンタリーだが、はてしなく続く暗闇が舞台であることから恐怖度はアップ。POVならではの手ブレは前回以上に激しく、突然驚かせるお化け屋敷的な描写も多い。

 ホラー映画の多くがそうであるように評価は賛否両論だが、米カルチャーサイト「Vanity Fair」などが、「ノンフィクションかフィクションかわからない状態だった『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』よりも確実に怖さは増している」と評価。

 アメリカのホラージャンル専門サイトの「Bloody Disgusting」は「本作品はホラー界に革命を起こした」と絶賛し、「2016年度ベスト・ホラー映画」に選出した。

最も怖いホラー映画2:『死霊館 エンフィールド事件』(16)

 実在するアメリカの心霊研究家ウォーレン夫妻が、実際に扱った事件を描く大ヒットシリーズ『死霊館』(13)の2作目。手がけるのはサイコスリラー/ホラーのヒットメーカー、ジェームズ・ワン監督。ウォーレン夫妻も、前作同様、感情豊かな演技が売りのヴェラ・ファーミガとパトリック・ウィルソンが演じている。役者は演技派ぞろいで、老人の霊に憑依された子役の演技力は抜群。

 『死霊館 エンフィールド事件』の舞台は、1977年のロンドン近郊の街。「史上最長期間続いたポルターガイスト現象」として有名なエンフィールド事件の、身の毛もよだつような怪奇現象の数々を描いている。シリーズとしては、前回よりも人間ドラマがしっかりと描かれているため、絶望感や恐怖感が一層味わえる。

 大手映画批評サイト「ロッテン・トマト」では、批評家支持率80%、観客支持率81%と、高く評価されている。米業界紙「Hollywood Reporter」は、「前作も素晴らしかったが、本作はさらにレベルを上げてきた」と監督を大絶賛。多数のスピンオフ作品を持つが、シリーズの中でも最高傑作だという声が多い。

最も怖いホラー映画3:『ザ・ボーイ~人形少年の館~』(16)

 苦手な人が多いドール(人形)ホラー。『チャイルド・プレイ』シリーズや『死霊館』シリーズのアナベルなどが有名だが、『ザ・ボーイ』は、「人形に魂が宿る」タイプではない、新感覚のドールホラーなのだ。

 主人公は、新天地での生活を始めるため田舎に越してきた若い女性。大きな洋館で老夫婦と暮らす、8歳の少年の世話するシッターの職を得たのだが、その少年は人形。老父婦から「世話をするにあたり絶対に破ってはならない10のルール」を言い渡されたが、彼女は洋館に一人きりになると人形を人間のように扱うのがバカらしくなり、ルールを次々と破ってしまう……。

 不気味なカットや怪奇現象を多用しながら物語は進み、最後には予想外の展開が。誰も考えもつかなかった結末なため、あぜんとする観客が続出した。ホラー作品なのにいろいろな問題を考えさせられる、という声まで上がった。

 あまりにも結末が衝撃的なため賛否両論となっているが、米にカルチャーサイト「The Wrap」は、「この恐怖のドールホラーは、ぞっとするのに、クレバーな造りを持つ」と絶賛。新しい人形ホラーの形を作った点では高く評価されている。

最も怖いホラー映画4:『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』(17)

 『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』は、イギリス各地でニセ超能力者やニセ霊能者のウソを暴いていたオカルト否定派心理学者フィリップ・グッドマン教授が主人公。

 尊敬する学者から調査依頼された3つの超常現象のタネを暴こうと現地に向かう。しかし、否定できないさまざまな現象に見舞われ、教授は戸惑う。その現象はつながりを見せ、ラストには思いもよらぬ「事実」が明らかになる。

 本作は、もともと舞台演劇作品であるため、ほかのホラー映画とは一味違う。突然に驚かせるような演出も多いが、やみくもに怖がらせるのではなく、ゾッとする感覚が味わえるのだ。

 イギリスのメディアは本作を高く評価しており、大手タブロイド紙「The Guardian」は「イングランド伝統の中で、身の毛がよだつ超常現象を語るアンソロジー」だと大絶賛している。

最も怖いホラー映画5:『ハッピー・デス・デイ』(17)

 『ハッピー・デス・デイ』は、目を覚ますたびに、殺される運命にある誕生日を繰り返す、新感覚のタイムループ・ホラー。

 主人公の女子大生は誕生日の朝、見知らぬ男子学生のベッドの上で、携帯電話の着信音により目覚める。ワガママ放題をして1日を過ごした彼女は、既婚者である教授との不倫を楽しみ、誕生日パーティに繰り出すのだが、その道中にお面をつけた人物に殺されてしまう。

 殺された瞬間、彼女は携帯電話の着信音で目覚める。すると、なんと殺された日の朝に戻っており、彼女は殺される運命にある1日をまた過ごす。殺されては誕生日の朝に戻る状態が続き、精神的に追い詰められていく中で、誕生日の朝を共に迎える男子学生に、事情を打ち明ける。半信半疑だった彼は「繰り返しループしているのには意味があるのでは?」と言い、彼女を殺す犯人を探し出して運命を変える手伝いをする。

 本作の監督は、『パラノーマル・アクティビティ 呪いの印』を手がけたクリストファー・ランドン。もともとはミーガン・フォックスが演じる予定だった主人公をジェシカ・ローテが演じ、「表情豊かなジェシカのほうがホラー向き」と言われるほどの当たり役となった。

 チャラい女子大生が主人公というのはB級ホラーに多いのだが、内容はしっかりしており、最初から最後まで飽きがこない。ストーリー展開も速く、サスペンス要素も満載だ。好評につき続編『ハッピー・デス・デイ 2U』が製作されている。

最も怖いホラー映画6:『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(17)

 ホラー小説の巨匠スティーブン・キングの代表作で、90年にテレビドラマ化された『IT』を、ホラー映画『MAMA』で知られるアンディ・ムスキエティ監督が映画化。

 平和かつ静かな街で、児童失踪事件が相次いで発生。内気な少年の弟もある日、おびただしい血痕を残して消息を絶ってしまう。自分を責める少年の前に、何の前触れもなく“それ”は現れる。恐怖を感じるたびに“それ”は姿を現す。“それ”が見える少年たちと共に“それ”に立ち向かおうとするのだが、彼らをさらなる恐怖が待ち構えていた……。

 欧米ではピエロ恐怖症というものがあり、本作のポスターを見ただけで恐怖心を感じる人が続出。北米の興行収入は、大ヒット映画『シックス・センス』を超える3億2748万ドル(約360億円)で、ホラー映画史上ナンバーワンの大ヒットを記録した。

 少年たちが最も恐れているものと対峙し、そして、彼らが団結して“それ”に向かう描写は見ごたえ十分で、ホラー版『スタンド・バイ・ミー』と高く評価されている。27年後を描いた続編『IT/THE END “それ”が見えたら、終わり』も製作されている。

最も怖いホラー映画7:『ワイルドリング 覚醒する少女』(18)

 『ワイルドイング 覚醒する少女』の主人公は、「部屋の外に出ると、人間を食べる野獣ワイルドリングに襲われる」と脅され、森の山小屋の一室に閉じ込められて育った少女。しかし彼女を育ててくれた“パパ”は彼女が初潮を迎えた頃からおかしくなり、拳銃自殺を図る。山小屋から救出された少女は女性保安官に引き取られたのだが、本格的に思春期を迎え、本来の姿へと覚醒してしまう。

 少女が狼女のようなワイルドリングへと変貌した姿は恐怖。プレミア上映したカルチャーイベント「サウス・バイ・サウスウエスト」では好評を得た。米紙「ニューヨーク・ポスト」は、「巧みに描かれた作品」「(少女役を演じた)ベル・パウリーの表情豊かな顔が印象的だった」と高く評価した。

最も怖いホラー映画8:『ヘレディタリー/継承』(18)

 家長である祖母の死後、ありとあらゆる恐怖に見舞われる一家を描いたファミリーホラー。カルト系にも属する、とにかく不気味なホラー映画だ。

 母を亡くし、喪失感を拭えずにいる中年女性アニー。夫や子どもたちと日常を取り戻そうとするが、娘は徘徊や動物虐待などの異常行動を見せ始め、家の中でも聞き慣れない音や、不可解な光などが襲ってくる。そして、息子が取り返しのつかない事件を起こしてしまい……。

 とにかく役者の演技力が素晴らしく、最初から最後まで恐怖心をあおる。ラストに登場するカルト集団も不気味だが、子役たちの恐怖演技、そして異常現象などの描写が見事だ。悪霊、心霊現象とトラウマになる恐怖シーンが満載で、ホラー映画ファンの欲求を十分に満たしてくれる。

 本作は、サンダンス映画祭でプレミア上映された直後から大絶賛され、「ロッテン・トマト」の批評家支持率も89%と高評価を獲得。米紙「USA Today」では、「現代ホラーの頂点」と称された。また、ホラー映画専門誌が主催する映画賞「ファンゴリア・チェーンソー・アワード2018」では最優秀賞、監督賞、女優賞などの6部門で受賞している。

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