【薬剤師監修】昼間の睡魔に打ち勝つ! 日中の急激な眠気を覚ますテクニック4選
昼食後にやってくる睡魔に悩まされていませんか? コーヒーを飲んでも、軽く体を動かしても、眠気が取れずに困っているという人は意外と多いものです。日中の眠気の原因は、不規則な生活習慣、ストレス、夜勤などの交代勤務、体内の覚醒リズムの乱れなどが挙げられます。しかし、ときには病気が背景に隠れている場合もあるのです。今回は、日中の眠気の原因や、眠気を覚ますテクニックなどを薬剤師の相田彩さんに紹介してもらいました。
1. 日中の眠気に隠れている原因
日中の眠気の背景には、下記の病気などが挙げられます。
・睡眠時無呼吸症候群
・ナルコレプシー
・特発性過眠症
・反復性過眠症
・うつ病
・月経前症候群(PMS)
・肝不全、腎不全
・糖尿病性ケトアシドーシス
・肝性脳症
・脱水症
日中の眠気が生活習慣などの乱れではない場合は、病気の可能性が否定できません。日中の強い眠気を引き起こす病気といえば、睡眠時無呼吸症候群が思い浮かびがちですが、ほかにもあるのです。
診断するためには、専門の医療機関で検査を行う必要があり、重症度に応じた治療も存在します。
1‐1. 睡眠時間の不足
睡眠は、疲労回復、感情や記憶の整理、自律神経を整える、免疫力の増強など多くの役割を果たしています。しかし、質の悪い睡眠や、十分な睡眠時間が取れない日々が続くと、日中の眠気や注意力の低下、集中力の欠如などが生じるのです。
必要な睡眠時間は人によって異なるため、実は不足していたということがないように気をつけましょう。睡眠の質を上げるためには、室内環境や寝具が適切かどうか見直すのもおすすめです。
1‐2. 血糖値スパイク
食後に眠くなるのは、食事をすることで血糖値が上昇し、インスリンが大量に分泌されることで血糖値が急激に降下する「血糖値スパイク」という現象かもしれません。血糖値が急激に下がることで低血糖状態となり、強い眠気が引き起こされることがあります。
血糖値スパイクを予防するためには、食物繊維や葉物野菜などから食べ始め、よく噛むことが大切。ゆっくり食べることで急激な血糖上昇を抑えることにつながります。
1‐3. 病気や睡眠障害の影響
日中に眠気を引き起こす病気はいくつもあります。中でも、睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーの患者は多く、自分では気づいていない場合も。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に大きないびきをかくのが特徴です。肥満や扁桃炎の肥大などが原因で、睡眠中に何度も呼吸が止まるだけでなく、酸素が十分に供給されないため、心血管疾患のリスクが高まってしまうことも。
一方、ナルコレプシーは、睡眠時間が十分に取れているにもかかわらず、日中に強烈な眠気に何度も襲われるという特徴があります。突然、体の力が抜けてしまう脱力発作を伴うこともあるため、注意が必要です。
ほかにも、睡眠障害や精神疾患などが原因の場合、日中に眠気を感じることで学業や仕事に影響を及ぼすこともあります。おかしいなと感じる場合は、早めに専門家に相談してください。
1‐4. 女性ホルモンの乱れ
女性は、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの影響を大きく受けます。特に生理前はプロゲステロンが多く分泌され、体温を高く維持するために眠気が出やすくなるのです。
生理前の眠気は、「月経前過眠症」という生理開始3〜10日前に始まる月経前症候群(PMS)の一種が要因で起こるもの。排卵後に増えたプロゲステロンが分解されると、アロプロゲステロンという眠気を起こす物質が発生し、昼間に強い眠気を感じることがあります。
また、更年期になるとエストロゲンの分泌が減少し、ホルモンバランスが乱れます。そのため自律神経が乱れやすくなり、日中にもひどい眠気を感じてしまうのです。