ケヴィン・スペイシー、性的暴行裁判で「無罪」判決――『ハウス・オブ・カード』復帰の可能性は?
だが、その一方で、彼から性的暴行を受けたと訴えた4人のうち2人が自殺、1人が車ではねられ亡くなっていることから「何か大きな力が働いているのでは」と陰謀説もささやかれている。
ケヴィンは18年から3年連続してYouTubeに、『ハウス・オブ・カード』で演じたフランクになりきったクリスマスメッセージ動画を投稿。19年の動画では、「自分を傷つけた人に優しくすることで気まずくさせ、気分を晴らす」という意味の「Kill them with kindness」という言葉を口にしたが、投稿した数時間後に彼を告発したノルウェー王女の元夫で作家のアリ・ベーンという男性が自殺。ネット上では、「『kill=殺せ』という言葉に反応した闇組織が、アリを自殺に見せかけて殺したに違いない!」などと騒がれた。
ケヴィンは、 未成年の少女の性的人身売買で起訴され勾留中に自殺したジェフリー・エプスタインのプライベートジェットにも乗っていた“”顧客”だったとも伝えられている。ジェフリーの元恋人で、未成年の女性たちを斡旋したとして禁錮20年に処されたギレーヌ・マクスウェルとは仲の良い友人だったといううわさもあり、ケヴィンは裏の巨大な闇組織とつながっており、しかも組織内での地位が高く、守られているに違いないという陰謀説がまことしやかに流れているのだ。
ケヴィン・スペイシーの復帰は難しいのか?
今回の裁判の結果を受け、ケヴィンは俳優業に復帰したいとの意欲を見せている。しかし、 メディア側の論調は、厳しいものが多い。
米ゴシップ誌「Page Six」は、ハリウッドへの復帰は実に難しいと報道。ハリウッドは性犯罪疑惑を持たれた人物を簡単には許さない、ウディ・アレンやロマン・ポランスキーのようにヨーロッパで活躍することはできるだろうが、「火のないところに煙は立たぬ」と考えるアメリカで復活することは無理だろうという見解を示した。
実はケヴィン。昨年、ロサンゼルスの最高裁判所から、『ハウス・オブ・カード』の制作会社に3,100万ドル(約43億円)の損害賠償を支払うよう命じられている。
裁判では「調査の結果、撮影現場でケヴィンが若い男性スタッフにセクハラ行為を行っていたことが判明した」「これは契約違反だ」などとする、同社の主張が認められたのだ。こうした判決を踏まえ、今後ケヴィンを起用するプロダクションはないだろうともみられている。
ネット上では、「無罪になったのだから、『ハウス・オブ・カード』に復帰して、最終シーズンを撮り直してほしい」といったファンの声がとても多いが、可能性は限りなくゼロに近いだろう。
6年にわたり、身の潔白を訴え続けてきたケヴィン。アメリカでもイギリスでも無罪にはなったものの、俳優としての前途は相当厳しいだろうとみられている。