「松屋の梅だしうな丼」が管理栄養士のイチオシ! 牛丼チェーン店の「夏メニュー」をジャッジ
猪坂 なか卯「すだちおろしうどん」も、食欲が落ちているときに良さそうですね。
すだちの酸味や大根おろしでさっぱり食べられそう。大根に含まれる消化酵素アミラーゼはでんぷんの消化を助けてくれるため、うどんとの相性も良いでしょう。
――すだちの栄養効果が知りたいです!
猪坂 すだちなどの柑橘(かんきつ)類には、クエン酸やビタミンCが豊富に含まれています。クエン酸は疲労回復に、ビタミンCは紫外線のダメージ低減に役立つので、夏にとるのは理にかなっていますね。
――うどんは消化が良く胃への負担が少ないと聞いたことがあるので、「すだち×うどん」は夏バテに最適ですね!
猪坂 そうですね。特に消化に時間がかかるのは脂質。脂質の多いステーキや揚げ物、脂こってりのラーメンなどは、胃に負担がかかりやすいです。それと比較すると、うどんのほうが消化しやすいといえますよ。
牛丼チェーン店の夏限定メニュー(4)
すき家「夏の彩り野菜カレー」(730円)
猪坂 すき家の夏メニューはカレーです! ブロッコリーやニンジン、パプリカ、かぼちゃなどの緑黄色野菜がゴロゴロとトッピングされている点に惹かれます。
緑黄色野菜はβカロテンなどの抗酸化ビタミンが豊富で、細胞のサビつきを防止してくれます。また、カレーはご飯やルーに糖質や脂質が多く含まれるので、先に野菜から食物繊維をとっておくことで、それらの吸収を抑える効果も期待できるでしょう。
――「夏野菜」や「冬野菜」など、季節の野菜はそれぞれ特徴があるものなのでしょうか?
猪坂 もちろん! 「夏野菜」には、水分やカリウム、ビタミンCなどを含むものが多いです。夏は気温が高く汗をかき、水分やカリウム、ビタミンCなどが失われやすいため、こういった成分を含む夏野菜を食べて補給すると良いですね。
「冬野菜」には、糖質やβカロテンなどを含むものが多いです。冬は風邪などがはやる季節なので、糖質でエネルギー補給、抗酸化ビタミンで免疫力低下防止が期待できます。
牛丼チェーン店の夏限定メニュー(番外編)
すき家「かき氷」(330円)
猪坂 番外編として紹介したいのが、すき家のかき氷! 牛丼チェーン店でかき氷が食べられるなんて画期的だと思うんですよね。
栄養価的には氷とシロップなので、特におすすめできるポイントはないんですが(笑)、「パチパチ クリームソーダ」「宇治金時ミルク」「いちごミルク」と、定番の味がそろっているのもうれしいです。ちなみに、一番たんぱく質が多いという理由で、宇治金時ミルクがおすすめです。
――個人的にはかき氷が今一番食べたいのですが……(笑)。今回紹介したメニューの中で猪坂先生のイチオシはどれでしょうか?
猪坂 一番おすすめしたいのは、「松屋の梅だしうな丼」です! 疲労回復効果が期待できるビタミンB1を含む鰻と、それをさっぱり食べやすくしてくれる梅干しなどが含まれており、さらにキュウリや大根の野菜も一緒に食べることができます。一石二鳥どころか三鳥といってもいいでしょう。
夏の暑さでますますキッチンに立つのが億劫(おっくう)になっている人も多いと思いますので、ズボラ飯で乗り切っていきましょうね!
猪坂みなみ(いのさか・みなみ)
管理栄養士。大学卒業後、大手食品メーカーにて商品企画や研究開発などに従事。ダイエットアドバイザー、料理研究家助手、医療ヘルスケアベンチャー企業の商品企画職等を経て、現在はLINEで気軽に取り組めるパーソナルダイエットプログラム「ダイエットナビ」の運営や、ヘルスケア領域の新規事業開発アドバイザリー、法人向けの健康経営サポート等を行う。
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