ジャニー氏性加害問題に、ダンマリを決め込んだ“芸能界のご意見番”とは?
5月19日、元ジャニーズ事務所所属のタレント・近藤真彦が、故・ジャニー喜多川氏による性加害問題について言及した。大分県日田市で開催された「全日本スーパーフォーミュラ選手権」のPRのため、大分県庁に佐藤樹一郎知事を表敬訪問した際のことだった。
「知ってた、知らなかったじゃなくて、もう知ってるでしょと。隠し事はなしにね、嘘はなしに、しっかりと正面を切ってね、正々堂々と話をしてもらえればなあと。じゃないと、みなさん納得しない人が多いんじゃないかなと思いますけどね」
ここまではっきりとした言葉で斬り込んだタレントは、近藤が初めてではないだろうか。では、ワイドショー・ニュース番組のMCやコメンテーターは、ジャニー氏の性加害問題について、どのようなコメントをしたのか、振り返りたい。
まず、性加害報道の“過去”にもしっかり目を向けたのは、東野幸治だ。
「5月21日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で東野は、藤島ジュリー景子社長が社内意識の抜本的改善を表明しながら、第三者委員会は設置しないという考えに反論。『公正に第三者の方に来て見てもらって、1999年からでもさかのぼって(調査を)やったほうがいいと思う』と主張しました。99年に『週刊文春』(文藝春秋)が、ジャニー氏による性加害を告発し、ジャニーズ事務所が名誉棄損で裁判を起こした件に触れたのです。さらに、『聞き取り調査をして20年以上の間にいったいどういうことが行われていたのかを、ちゃんとオープンにしないと次に進めないと思う』とも訴えていました」(芸能ライター)
性被害に遭った所属タレントに寄り添う姿勢を見せたのが、爆笑問題・太田光だ。
「5月21日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で太田は、『過去に性被害を受けた人たちが現役でもいるワケですよね。その中でそれぞれにいろいろな思いがある。そこを受け入れた自分を責める人もいるだろうし、退所した人もいる。それぞれに傷付き方が違う』とタレントに配慮。一方で『芸能スキャンダルとして広がっていっちゃう可能性が高いんだけど、そこは淡々と刺激的にならないように報じていくことも同時に必要』と、報道の過熱を警戒していました」(同)
そして、今まで報道してこなかったメディアの自己反省を口にしたのが、フリーアナウンサー・小川彩佳。
「元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが、日本外国特派員協会の記者会見で性被害を訴えた件を受け、小川アナは5月11日放送の『news23』(TBS系)で、『報道機関がどれだけこうした被害を報道してきたのか。少なくとも私たちの番組ではお伝えしてこなかったという現状があります。その中で、このカウアンさんの発言は非常に重く、この言葉には向き合わなければならないと感じています』と吐露。『今後番組では、こうした訴えをしっかりと受け止め報道していきたいと考えています』と宣言しました」(同)
関口宏も、メディアを糾弾している。
「5月21日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)の中で、関口は『確かにメディアの問題はありますね。でもメディアが利用してきましたからね。ここのタレントさんたちをね。その難しさはあるんだろうなとは思います』と、ジャニーズタレントたちを視聴率や売り上げのために利用してきたメディアの問題点に斬り込んでいました」(同)
一方、視聴者から期待されていたものの、歯切れが悪い反応だったのが『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)でレギュラーコメンテーターを務める玉川徹氏だ。
「5月15日放送の同番組で玉川氏は、『やっぱり今後なんですよね。今回コメントされたことを、きっちり進めていけるか、自ら検証して進めていけるか。その際、被害を訴えられている方を第一に考えて進めていけるかどうかがポイント。ジャニーズの未来は、そこが決めるんだと思います』と、いつもの鋭さはどこへやら、ずいぶん浅いコメントで終わりました」(同)
そして、芸能界のご意見番・和田アキ子はダンマリを決め込んでいる。
「5月21日の『アッコにおまかせ!』(TBS系)では、注目ニュースをランキング形式で紹介する『おまかせ!ニュースランキングTOP10』の5位にジャニー氏の性加害問題がランクイン。映像を見ながら神妙にうなずいていた和田ですが、VTR明けは、歌舞伎役者・市川猿之助の両親の死亡事件を掘り下げるだけで、ジャニーズについては何も触れませんでした」(同)
ジャニー氏の性加害問題について、これまで報じなかった各テレビ局が重い腰をやっと上げたが、結局、忖度で成り立っている芸能界。どこまで深く切り込んでいくのか、今後に注目したい。