タワマンで暮らすママ友のSNS投稿にモヤモヤ……私とのファミレスランチは“なかったこと”に?
そんなある日、大学時代の同級生・奈央子さん(仮名・35歳)から連絡があった。
「奈央子は大学時代、同じサークルに入っていた友達です。コロナ禍で外出ができなくなった時、奈央子主催で仲が良かったメンバーとオンライン飲み会をして、再会。画面越しですが、懐かしい話題で盛り上がり、とても楽しい時間でしたね」
奈央子さんは、由香里さんと同じ沿線に住んでいたため、オンライン飲み会をきっかけに、直接会うようになったそうだ。
「奈央子は、息子と同い年の男の子を育児中でした。子ども同士も仲良くなり、よく公園で遊ぶようになったので、会う機会が増えていったんです」
奈央子さんは大学を卒業すると、テレビCMを流すような有名企業に入社。そこで知り合った年上の男性と結婚して、沿線のターミナル駅でタワマンを買ったそうだ。
「奈央子の会社はインセンティブ制度だそうで、30代でも年収は800万円台。この前、会った時には『同業他社からいい条件で引き抜きの話があった』とも言っていました。夫婦で同じ企業に勤めているので、うちより生活にかなり余裕があるのは想像できます」
由香里さんは現在、育児中心の生活だが、パートタイマーとして働き、その収入を家計の足しにしているという。しかし、生活は決して楽ではなく、夫は退職金もないため、夫婦で貯金を心がけているそうだ。
由香里さんは、そんな奈央子さんの境遇をうらやましいと思いながらも、割り切って付き合わなければいけないと思っていたとのこと。 しかし子連れで頻繁に会うようになってから、彼女のSNS投稿が気になりだしたという。
「奈央子は地方の優秀な高校出身。一緒にスキー旅行をした時、高校時代に作ったという学校名入りのTシャツを着ていたのを覚えています。その頃からステータスのあるものが好きな子という印象でしたね。よく遊んでいる人たちは、起業したり、会計士になったりという華々しい経歴の人ばかりで……高級焼肉店などで会食している様子をSNSに上げていたんです」
奈央子さんのSNSを見るたびに、由香里さんはモヤっとしてしまうという。
「奈央子はSNSに、日々の出来事を頻繁にアップしています。でも、経済界の有名人や政治家などに仕事で会ったり、高級ショップのレセプションに行ったり、裕福そうなママ友と子連れで遊んだ際のエピソードや写真は必ず投稿するのに、近所のファミレスで私とランチしていることには一切触れない。子どもを育てながら、パートで働いている身分の私は、そういう華やかな交流やイベントの投稿を見るたび、『同じ大学を出ているのに……』と切なくなるし、私と会っているのは隠したいことなんだなってモヤモヤするんです 」
由香里さんは、現在、子連れで交流している大学の同級生に、奈央子さんのSNS投稿をどう感じているのか聞いてみたそうだ。
「友達に 『SNSで交友関係や仕事をひけらかしているのが気になっていた』と言われ、『あぁ私だけじゃなかった』とホッとしました。よくママ友ルールとして『自慢話はNG』というものがありますが、確かにその通りかも……実際、奈央子は私たちのグループの中で、ちょっと距離を置かれつつありますから 」