映画『名探偵コナン』歴代ゲストで演技がうまかった芸能人は? 業界関係者が明かした2名
テレビアニメ『名探偵コナン』(日本テレビ系)の劇場版シリーズ26作目となる映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影』にゲスト声優として参加している俳優・沢村一樹。ネット上では、「演技がうますぎてびっくり」などと評判を呼んでいるようだ。
「4月14日に封切られた同作は、初日から3日間で興行収入31億4638万7340円、観客動員217万6407人を記録(興行通信社、以下同)する歴代最高のロケットスタートを切り、公開から18日間の累計興収は79億円を突破。シリーズ初の100億超えも射程圏内に入りました」(芸能ライター)
物語の舞台は、東京・八丈島近海にある海洋施設「パシフィック・ブイ」。主人公・江戸川コナンの宿敵“黒ずくめの組織”によるエンジニアの誘拐事件が発生し、かつて組織に属していた灰原哀の身にも史上最大の危機が迫る……というストーリーだ。
「人気キャラクター・灰原がメインで、かつ黒の組織の核心に迫る内容が描かれるとあって、公開前からファンの注目を集めていた同作。沢村は、パシフィック・ブイの局長・牧野洋輔役を演じており、ネット上では『声の演技うまかった!』『本職の声優陣に混ざっても違和感がなくて驚いた』『さすがベテラン俳優』などと称賛されています。また、『最近のゲスト声優は演技がうまい』という声も続出しているようです」(芸能ライター)
なお、『コナン』の劇場版に芸能人が起用されるようになったのは、2009年公開の13作目『漆黒の追跡者』からで、DAIGOが声優に初挑戦。しかし、『黒鉄の魚影』公開初日に、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で『漆黒の追跡者』が放送された際は、ネット上で「DAIGO、演技がヘタすぎ」「セリフが棒読みで内容が入ってこない」と酷評されていた。
こうしたタレントの起用の裏側について、業界関係者は以下のように語る。
「『名探偵コナン』にゲスト出演するタレントたちは、ほとんどが物語のキーパーソンを演じます。その理由は、タレントを起用するとマスコミの注目を集めることできるので、映画会社がわざわざ依頼をしなくても、取材をしに来てくれるから。特に当時は“話題性”を重視し、製作側はタレントたちの『演技力』にはそこまで期待していなかったのでは。これまで『名探偵コナン』にゲスト出演したタレントたちは、声優としての技術はそこそこ、またはそれ以下といった印象でしょうか……。しかし、これは仕方がないこと。声だけで演じるのは、ドラマや映画での芝居とはまったく異なり、専門的な技術が必要なんです」(声優業界関係者)
一方で、21年公開の『緋色の弾丸』に出演した浜辺美波、22年公開の『ハロウィンの花嫁』に出演した白石麻衣、そして今回の沢村のように、近年は演技を絶賛されたタレントも多い。そこで、これまでのゲスト声優の中で、特に演技が光った人物を聞いてみると……。
「まずは、『紺青の拳』(19年)に出演した山崎育三郎。シンガポールが舞台の本作で、山崎はコナンたちと敵対する実業家レオン・ローを演じました。日本語での芝居はもちろん、流暢な英語も披露し、秘書役の河北麻友子と合わせて非常によかったと思います。日本の声優が『流暢な英語をしゃべる』芝居をすると、大抵ヘタですから(笑)。“声優としての芝居”という観点で、合格点に達していたと思います」(同)
もう1人は、『純黒の悪夢』(16年)に出演し、黒の組織の幹部・キュラソー役を務めた天海祐希の名前が挙がった。
「天海の声優としての芝居は実に素晴らしい。現役の声優ですら劣る人は大勢いると思いますよ。声優としての芝居がちゃんとできていたことに加え、自分自身でしっかりキャラクターを作り上げていた印象が強い。一流女優にこんなことを言うのはおこがましいですが、高いプロ意識が垣間見えました」(同)
また、タレントがゲスト声優として映画などに出演する場合は、「彼女くらいの技術を磨いてから挑んでほしい」(同)との本音も飛び出した。
「昔から、タレントが大作アニメにゲスト出演するケースは多いのですが、近頃はきちんと“声優”としての技術を磨いてから挑戦する人が増えてきました。最近だと、3月に公開された『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』のKing&Prince・永瀬廉をはじめとする若手ジャニーズ勢は、とても良い芝居をしていましたね。対して、お笑い芸人の“声優”としての質は、昔から全体的にあまり良くありません。“ゲスト”という立場に甘えず、作品をより華やかに彩るよう、事前に技術をある程度学んでから挑んでいただきたいです」(同)
芸能人が声優に挑戦するハードルは今後どんどん上がりそうだ。