【薬剤師監修】まるで地鳴り!? 睡眠の質を高める「いびき解消法」4選
毎晩ゴーゴーと響きわたる地鳴りのようないびきで眠れない……。それは、あなたがパートナーから指摘されたいびきですか? それとも、あなたのパートナーのいびきですか? どちらにしても、単なるいびきだと放っていてはいけません。今回は、いびきの原因や危険性、解消法について薬剤師の竹田由子氏に紹介してもらいました。
1. いびきの原因
いびきは、就寝中に息を吸う際に、咽頭(のど)が振動することで起こります。睡眠時は、咽頭を支えている筋肉がゆるむため、咽頭が狭くなりやすいのです。この状態に、さまざまな条件が重なってしまうと、通過した空気が周りの粘膜を振動させて音が鳴る原因となります。
咽頭部が狭くなる原因には、疲労や飲酒、鼻づまりなどの一時的なものと、肥満や口呼吸、さらにアデノイド肥大(※)といった慢性的なものがあります。
いびきの原因は人によってさまざま。まずは、どのような条件が引き起こしているものなのかを探ってみましょう。
(※)アデノイド肥大:のどの奥にあるアデノイドが生まれつき、または感染やアレルギーで大きくなっている状態
2. いびきの放置は危険!?
いびきを放置していると、病気のサインに気づかない危険があります。例えば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、脳こうそく、甲状腺機能異常などです。
中でも、睡眠時無呼吸症候群は、いびきに関連する症状で代表的なもの。睡眠中に呼吸が止まった状態(無呼吸)が断続的に繰り返され、睡眠の質が下がるため、日中の眠気・集中力低下を起こします。居眠り運転により、交通事故につながってしまう例も少なくありません。また、酸素不足が続くことで、不整脈・高血圧・心不全といった循環器系の病気が引き起こされることもあります。
このように、いびきに隠れている病気のなかには命に関わるものもあり、社会生活を安心安全に送るという意味でも放置しないことが重要なのです。
3. いびきの悩みは自分自身のことだけではない
いびきの悩みは自分自身のことだけではありません。一緒に寝室にいるパートナーへの影響、もしくは、パートナーからの影響も問題となります。
実際、就寝中の悩みで「自分のいびきが気になる」という人と同じくらい、「パートナーのいびきが気になる」「お互いのいびきが気になる」という人も多いようです。パートナー自身が自覚している場合は改善策に結びつけやすいですが、就寝中であるため、自分では気づいていないという人もいます。
いびきはデリケートな問題だと捉え、相手に伝えるのを躊躇してしまったり、伝えてもケンカになったりと、なかなか解決しづらい内容です。いびきが気になるので寝室を分けるという人も少なくありません。いびきの問題は、いびきをかく本人だけでなく、夫婦やパートナーとの人間関係にも影響を与えるものでもあるのです。
また、慢性的に睡眠障害が起こると、日中の眠気やイライラ、疲労感につながりやすくなります。さらに、睡眠不足やいびきのストレスが体へ悪影響をもたらし、病気を引き起こすことも。
簡単には伝えづらい内容かもしれませんが、大切な問題なのできちんとパートナーと向き合いましょう。話をするときは、「うるさい」という騒音を問題にするのではなく、「いびきは放っておくと命に関わるので心配」という気持ちを伝えながら、話を進めてみてください。