中学受験で最難関私立合格! 即「鉄緑会」入りの生徒もいる中、落ちこぼれた息子
「1年1学期の終わりにあった保護者面談で、担任の先生に『拓也くんはこのままではまずい』と言われて、びっくりしました。ほんの数カ月しかたっていないのに、そんなに差がつくのかと呆然としましたね。もちろん、入学直後から気を緩めず、即『鉄緑会』(※)などの塾に入り、難関大学を目指す同級生がたくさんいることは知っていたものの、拓也が『大学受験は高校に入ったら考える』と言うので、『それもそうか』と思い、賛成したんです。今まで、勉強漬けでしたから、少しは羽を伸ばしてもいいだろうと黙認していました」
※中高6年一貫校の生徒を対象とした、東京大学および難関医学部受験指導専門塾
結局、拓也くんは中1の夏休み、学校での補習と宿題に“追いまくられた”そうだが、2学期に入っても、成績は一向に上向かなかったという。
「担任の先生がおっしゃるには、拓也には『自学自習の習慣がない』と……。ノルマを果たすだけの学習を積み重ねてきたので、中学に入った段階で、何をどうすればいいのかがわからなくなってしまい、その現実と向き合いたくないばかりに、ひたすら逃げまくっているというんですね。私には、衝撃の一言でした。なぜなら、勉強スケジュールは私がすべて決めて管理していたから。拓也は私が差し出すプリントを次から次へと解いていくという勉強しかしていなかったってことです……」
難関中高一貫校はどこもそうなのだが、勉強についていけなくなった生徒に対しては、非常にシビア。厳しい進級・進学基準を設けており、そこには「ついていけない生徒は、別の環境に行くべき」というスタンスが垣間見える。
「さすがに私にはS中学の難しい課題を拓也と一緒に解く力はなかったので、仕方なく、S中学生御用達という“落ちこぼれ”の子が通う補習塾に入れたんですが、その塾から、頻繁に電話がかかってくるようになりました。拓也が塾に来ないっていうんです」
あかねさんは、行かないのであれば補習塾代もバカにならないので辞めればいいし、何ならS中学自体も辞めて、よその中学に転校しようと提案したそう。しかし、すべて拓也くんによって却下されていると話す。