天海祐希『合理的にあり得ない』、『教場0』が視聴率ダウンで“恩恵”期待できず?
天海祐希主演の連続ドラマ『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~』(フジテレビ系)の第1話が4月17日に放送され、世帯平均視聴率9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。同枠で前クールに放送された草なぎ剛主演『罠の戦争』の初回9.3%とタイで、好発進となった。
柚月裕子氏の小説『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』(講談社)を原作とした同ドラマは、頭脳明晰で変装を武器とする女探偵・上水流涼子(天海)とIQ140の貴山伸彦(松下洸平)がバディを組み、さまざまな依頼を“ありえない方法”で解決していく痛快エンターテインメント。
※以下、『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~』第1話のネタバレを含みます。
第1話では、破格の依頼料で仕事を請け負う「探偵事務所 上水流エージェンシー」のもとへ、悪徳不動産ブローカー・神崎恭一郎(高嶋政伸)に「2000万円を騙し取られた」という松下祥子(街田しおん)が訪れる。
早速、上水流と貴山は、神崎の不倫現場を押さえ、証拠を本人に2000万円で買い取らせようとするも失敗。「妻が使うお金は、神崎が稼いだ金」だとして、神崎の妻・朱美(戸田菜穂)にターゲットを変えた上水流は、ヨガインストラクターや占い師に変装して朱美に近づき、皿や壺を買わせることで2000万円を引き出すことに成功する。
しかし、これに勘づいた神崎は、朱美と貴山を別々の場所に監禁。神崎に仕込んだGPSから場所を特定した上水流は、ショベルカーで神崎の別荘の物置を壊し、閉じ込められていた朱美を救出。さらに、臓器ブローカーに売り飛ばされそうになっていた貴山も助ける。
結局、上水流の活躍によって神崎と朱美は離婚が成立。神崎は警察に逮捕され、一件落着となった。
この第1話の放送後、ネット上では、天海と松下の掛け合いが「息ぴったり」と概ね好評な様子。「正直、ストーリーはイマイチだったけど、2人のやりとりがコミカルで楽しい!」「貴山くんを手の平で転がす上水流さんの様子が面白い」といった感想が上がっている。
一方で、「コメディ要素が強すぎる」と不満の声も散見される。第1話では、上水流が「刺激が足りない」と言って事務所でハバネロをムシャムシャと食べたり、ヨガスタジオに偽装したピンサロで、剥がれそうになるポスターを押さえながら「壁ドンのポーズ」を決めてその場を繕ったり、探偵小説家「パトリック・クェンティン」を「パトリック・クェンティン・タランティーノ」と言い放ち、貴山から「タランティーノいらないっす」とツッコまれるなど、コミカルなシーンが目立ったが、中には「そんなにいらない」と感じた視聴者もいたようだ。
なお、コミカル要素が物議を醸した連ドラといえば、前クールの西島秀俊主演『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日系)や、妻夫木聡主演『Get Ready!』(TBS系)が挙げられる。
どちらも、シリアスなストーリーの中に散りばめられたギャグや小ネタが見どころの一つであったが、「ギャグが邪魔」「しらける」との声も目立っていた。
『合理的にあり得ない』は、『警視庁アウトサイダー』ほどのわざとらしさはないものの、コメディ要素をウリの一つとするドラマは、シリアスさと笑いの“バランス”が重要となりそうだ。
また、 同作は“春ドラマの目玉”とも言われる木村拓哉主演の“月9”ドラマ『風間公親-教場0-』(同)に続く、午後10時台で放送されることから、放送前には「『教場0』の影響を受け、視聴率が伸びそう」と予想する声もあった。
しかし、初回12.1%で好発進した『教場0』は、17日放送の第2話で10.7%までダウンしてしまったこともあって、“キムタクの恩恵”はそこまで期待できないかもしれない。
天海の演技に称賛の声も多い『合理的にあり得ない』。大ヒット必至と思われた『教場0』に暗雲が垂れ込める中、どこまで粘れるだろうか……。