ジャニー氏だけではない、ジャニーズ事務所にくすぶるもう一つの“性加害”問題
故・ジャニー喜多川氏の“性加害問題”に揺れるジャニーズ事務所だが、業界内では、2018年に不祥事によって退所した元TOKIO・山口達也の再始動も物議を醸しているようだ。山口は、アルコール依存症および依存症全般に関する講演活動などを行う新会社を設立し、「朝日新聞」のインタビューで、オンライントークイベントへの出演を発表するなど、精力的に動いているが、皮肉にも芸能界を追われる原因となったのは、ジャニー氏と同じく性加害の問題だった。
山口はインタビューで、20年に起こした飲酒運転事件についても省みているが、事実上の芸能界引退となったのは、その前年に起こした女子高校生への強制わいせつ事件。当時MCを務めていた『Rの法則』(NHK Eテレ)の出演者を自宅に呼び寄せ、飲酒を強要した上に強引にキスをしたなどの容疑で書類送検されている(不起訴処分)。
「同事件により山口はTOKIOを脱退、ジャニーズとの契約も打ち切られて事実上の芸能界引退に。さらに各報道から、『Rの法則』出演者の間では『山口からのプライベートの誘いは断れない環境だった』『共演者の事務所関係者も山口の問題には薄々勘付いていた』といったドス黒い内幕が見えてくるように。被害者との和解が成立したことから、山口は不起訴処分となりましたが、当時ジャニーズ事務所が発表した『お酒を飲んで、被害者の方のお気持ちを考えずにキスをしてしまいましたことを本当に申し訳なく思っております。被害者の方には誠心誠意謝罪し、和解させて頂きました』という投げやりなコメントも世間から批判の的となっていました」(スポーツ紙記者)
山口が当時からアルコール依存症を患っていたとしても、共演者の女子高校生を自宅に呼び寄せるという行動までもが「酒のせい」というのは、疑問視されても仕方がないだろう。
「当然、当事者同士の和解が成立していることから、公の場での発言に関しては、何らかの制限がかかっているのでしょう。しかし、山口は自身の問題の原因はすべて『アルコール依存症』で片づけようとしており、強制わいせつ事件に関しては“臭いものにフタ”の対応をしているように感じてしまいます。それでも山口自身は芸能界復帰を望んでおり、周囲の関係者もその後押しをしていきたいのでしょうが……」(同)
山口をめぐっては、ジャニーズを退所して以降も、マスコミ報道に対して“ジャニーズの介入”があったと言われている。
「ずっとTOKIOを担当してきた現ジャニーズ社長・藤島ジュリー景子氏の温情によるものといわれています。おそらく今回の復帰も、何らかの形でバックアップはしているのではないでしょうか。ジュリー氏のシンパである現役ジャニーズのTOKIO・国分太一や20th Century・井ノ原快彦などが公の場で山口の名前を出しているのも、その一環なのかもしれません」(週刊誌デスク)
国分は今年1月、Twitterに「今日は山口達也の誕生日!おめでとう」と投稿。一方の井ノ原も2月16日放送のラジオ番組『SIN NEXT GENERATION』(JFN系)で、同期である山口について現在も連絡を取り合っていることを明かしていた。
「やはりジャニーズとしては再び5人全員でのTOKIOの活動再開を最終目標としているとみられます。21年に長瀬智也が脱退して、事務所を退所しましたが、その背景には、山口の離脱があるといわれており、だからこそ、まずは山口に過去の不祥事の償いをさせなければ……と、ジャニーズサイドは考えているのでは。しかし、未成年へのわいせつ事件をスルーし続ける今のやり方で、世間が納得するかどうかは未知数です」(同)
ジャニー氏の性加害問題への対応から「逃げている」と世間に批判されるジャニーズ事務所。もし本当に山口の復帰をバックアップしているのであれば、組織としてこの問題を軽んじている証拠になるだろう。やはりまずは真正面から向き合ってほしいものだ。