『ドラえもん』が首位返り咲き、『シン・仮面ライダー』は寂しい成績――映画館動員ランキング
国民的テレビアニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系)の劇場版第17弾となる『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』が全国の映画館動員ランキング(興行通信社調べ、3月24日~3月30日)で1位を獲得した。春休み期間に再び動員を伸ばし、前週1位だったSnow Man・目黒蓮主演の映画『わたしの幸せな結婚』を抑えて首位に返り咲き。累計動員数は277万人、興収も33億円に迫っており、最終興収40億円超えも視野に入ってきた。
2位の『わたしの幸せな結婚』も4月2日までに動員137万人、興収18億円を記録し、順調にヒットを続けている。
石ノ森章太郎氏原作の特撮テレビシリーズ『仮面ライダー』(テレビ朝日系)の放送開始50周年を記念して製作された『シン・仮面ライダー』は3位だった。歴代ライダー映画の興収最高額は『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(2009年)の19億円だが、『シン・仮面ライダー』は公開17日間で15.3億円。『ディケイド』を超えるのは確実だが、同作の監督・庵野秀明氏の過去に携わった『シン・ゴジラ』(16年)『シン・ウルトラマン』(22年)『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(21年)の「シン」シリーズの中では、今のところ、もっとも寂しい興行成績だ。
4位には公開17週目の『THE FIRST SLAM DUNK』が入った。こちらは興収127.6億円、動員も888万人を突破している。5位には特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』(TBS系、1993年)を原典とし、円谷プロダクションがアニメ制作会社「TRIGGER」とタッグを組んで制作したTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』(TOKYO MX)と『SSSS.DYNAZENON』(同)をクロスオーバーさせた劇場版アニメ『グリッドマン ユニバース』が入った。
『グリッドマン ユニバース』は、はやりのマルチバースもの。日常を謳歌していた主人公・裕太が、別世界の住人・麻中蓬たちと、突如訪れた危機に立ち向かっていく姿がスリリングに描かれる。特撮マニアにとっては興味深い作品でネット上の評判は上々。公開10日間で動員23万、興収3億3492万円。
6位には葉真中顕氏の同名ミステリー小説を、松山ケンイチと長澤まさみの主演で映画化した社会派サスペンス『ロストケア』が入った。同作は、過酷な介護現場の実情を背景に、心優しい介護士の男(松山)が、自らの信念に従って殺人を繰り返していくさまと、そんな犯人に対峙していく中で葛藤を深める検事(長澤)の姿を描く。決して派手な作品とはいえないが、柄本明など実力派俳優が多数出演し、内容、演技ともにネット上での評価は高い。
7位には亜南くじら氏の人気少女漫画を、なにわ男子・高橋恭平主演で実写映画化した『なのに、千輝くんが甘すぎる。』が入った。8位はバーナード・ウェーバーのベストセラー児童文学『ワニのライルのおはなし』シリーズを実写映画化した『シング・フォー・ミー、ライル』。同作は孤独な少年・ジョシュと歌が上手なワニ・ライルの心温まる交流の行方を、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』(17年)『グレイテスト・ショーマン』(18年)などのソングライター・チームが手がけた楽曲とともにつづるファミリー・ファンタジーだ。
9位は公開8週目の『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』、10位も公開20週目の『すずめの戸締まり』と、いずれも邦画アニメ作品がランクインした。
【全国映画動員ランキングトップ10(3月24日~3月日 、興行通信社調べ)】
1位 映画ドラえもん のび太と空の理想郷
2位 わたしの幸せな結婚
3位 シン・仮面ライダー
4位 THE FIRST SLAM DUNK
5位 グリッドマン ユニバース
6位 ロストケア
7位 なのに、千輝くんが甘すぎる。
8位 シング・フォー・ミー、ライル
9位 ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ
10位 すずめの戸締まり