【薬剤師監修】白髪の原因は加齢だけじゃない! 黒髪を守るための生活習慣とは?
「きれいな髪の毛を維持したい」「白髪を増やしたくない」など、髪の毛の悩みは、多くの人が抱いているもの。実は白髪は、加齢以外にもさまざまな原因で増えてしまうのです。今回は、黒髪を守るために、白髪の原因と対策を薬剤師の中山歩実氏に紹介してもらいました。
1.白髪が増える意外な原因
白髪の増加には、意外な原因が関与しているかもしれません。当てはまりそうなものがあれば、解消してみませんか?
1‐1.頭皮の血行不足
髪の毛は、頭皮の血管から栄養をもらっています。そのため、頭皮の血行が悪くなると、栄養不足に陥ったり、メラニン色素を作る細胞の機能が低下したりすることで、白髪になる可能性があります。睡眠不足、不規則な生活、体の冷えなどが頭皮の血行不足につながります。規則正しい生活を心がけ、睡眠を十分取るようにしましょう。
1‐2.栄養や水分の不足
体全体の栄養や水分が不足していませんか? 生活するのに必要なだけの栄養や水分を摂取していなければ、髪の毛にまで栄養を行き渡らせる余裕がなくなってしまいます。
無茶なダイエットをしている、水分をとっていないという人は、栄養バランスを整え、水分摂取を意識してみましょう。
1‐3.ストレス
強いストレスも、白髪の原因になるといわれています。
実は、髪の毛は元々白いということをご存じですか? 毛の根元の「毛包」にある色素幹細胞が活発になると、「メラノサイト」に変化し、黒いメラニン色素を作るようになります。この色素が髪の毛に取り込まれることで、黒い色がつくのです。
ストレスを受けて交感神経が過剰に働くようになると、色素幹細胞も過剰に活発化し、枯渇します。そうすると、色素を作ることができなくなり、白髪が増えてしまうというメカニズムなのです。
2.白髪を増やしにくくする3大栄養素
白髪を予防し、健康的な髪の毛を維持するのに必要な栄養素を3つご紹介します。
2‐1.たんぱく質
白髪予防にはまず、髪の毛の主成分であるたんぱく質が大切です。髪の毛を構成するタンパク質の約90%を占める「ケラチン」は、硫黄を含んだたんぱく質のこと。たんぱく質は、肌や筋肉、内臓などあらゆる部分に使われる栄養素です。
髪の毛にまで行き渡らせるためには、自分の体格にあった量のたんぱく質をとらなくてはなりません。運動量などにもよりますが、最低でも体重1kgあたり1日1g程度のたんぱく質が必要です。肉や魚、卵、大豆など、たんぱく質を豊富に含んだ食材をとりましょう。
2‐2.ミネラル
ミネラルも髪の毛を健やかに保つために必要です。白髪には特に、亜鉛と銅が関与します。
亜鉛は、ケラチンを体内で合成するときに使われる栄養素です。肉や卵、牡蠣、チョコレートなどに含まれます。
銅は、髪の毛を黒くする「メラニン色素」を作るときに必要な栄養素。大豆やアーモンド、ごぼうなどに含まれます。
2‐3.ビタミン
ビタミンの中にも、白髪予防に重要なものがあります。それが、ビタミンB12とビタミンA、ビタミンEです。
ビタミンB12は、黒い色素を作る「メラノサイト」の活動を促すビタミン。ビタミンB12は動物性食品に多く含まれており、野菜やきのこにはほとんど含まれません。ダイエットで野菜ばかり食べている場合、不足しがちなビタミンといえます。
また、血行改善につながるビタミンA、ビタミンEも積極的にとりましょう。ビタミンAは卵やレバー、うなぎなど、ビタミンEは魚、ナッツ、ごまなどに多く含まれます。