『のだめカンタービレ』ミュージカル化に賛否――かつて千秋役に内定していたジャニーズとは?
これまでドラマや映画、アニメ化されてきた人気マンガ『のだめカンタービレ』(講談社)が、今年10月にミュージカル化されると発表された。主人公の「のだめ」こと野田恵は、ドラマや映画で主演した女優・上野樹里が演じるというが、玉木宏が起用されていた「千秋先輩」こと千秋真一役は、新たに三浦宏規が抜てきされたという。
ミュージカル化にあたり、のだめは上野が続投するにもかかわらず、千秋はキャスト変更されるという点で、ネット上は賛否両論の嵐に。一部業界関係者の間では「もともと玉木も“あるジャニーズ俳優”の代わりとして千秋役に選ばれたという経緯があるため、のだめ役だけがずっと“据え置き”であることのほうが驚かれている」(テレビ誌ライター)そうだ。
漫画家・二ノ宮知子氏が、女性向け漫画誌「Kiss」にて2001~10年まで連載していた『のだめカンタービレ』は、音楽大学ピアノ科に通うのだめや世界的指揮者を目指す千秋が、いろいろな音大生と交流しながら成長していく姿を描いた作品。06年10月期にフジテレビ系で連続ドラマ版が放送され、のだめ役の上野、千秋役の玉木はその後、スペシャルドラマ版(08年1月に2夜連続放送)や劇場版『のだめカンタービレ 最終楽章 前編/後編』(09年12月/10年4月)にも出演した。
「そんな『のだめカンタービレ』が今年、ミュージカル化されることになったのですが、のだめ役は引き続き上野が務める一方、千秋役には若手俳優の三浦が抜てきされました。彼は一般的な知名度こそまだ低いものの、人気ミュージカル『テニスの王子様』シリーズの跡部景吾役や、舞台版『千と千尋の神隠し』のハク役を演じるなど、舞台経験豊富な俳優といえます」(スポーツ紙記者)
ただ、現在36歳の上野と、今月24日に24歳の誕生日を迎える三浦が、原作では1学年違いののだめと千秋を演じることに、ネット上では議論が勃発。「千秋“先輩”に見えないと思うけど大丈夫?」「そもそも上野樹里が大学生役をやるの?」といった指摘が飛び交い、中には「千秋先輩のキャストを変えるなら、のだめも上野じゃないほうがよかったのでは」と意見する者も見受けられる。
「とはいえ『上野樹里なら、今でものだめ演じられると思う』『のだめは上野樹里しか考えられない』という声もあるほか、舞台ファンからは『ミュージカルや舞台では、役者とキャラクターの年齢はあまり関係ない』『舞台でキャストの年齢差があることなんてザラ』といった書き込みも散見されます。それに、上野はこれが舞台初挑戦となるので、舞台慣れしている三浦とのコンビはむしろバランスがいいのかもしれません」(同)
一方、連ドラ版『のだめカンタービレ』の制作当時を知る業界関係者の間では、こんな話も。
「最初はフジではなく、他局が上野と岡田准一(当時V6)コンビでドラマ化を企画していたそうです。しかし、岡田が所属するジャニーズ事務所が、制作サイドに“主題歌をV6の新曲にするように”と要求したところ、原作者が大反対。それで企画が一旦消滅した後、フジが上野の起用はそのままに、主題曲はベートーヴェンの『交響曲第7番』第1楽章(抜粋)とジョージ・ガーシュウィンの『ラプソディ・イン・ブルー』を採用する形で、企画を作り直したといいます。その過程で千秋役に選ばれたのが玉木だったのです」(前出・ライター)
結果的に、フジ制作の連ドラ版『のだめカンタービレ』は全話平均18.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、スペシャルドラマも1夜目は18.9%、2夜目は21.0%を記録する大ヒット作となった。
「千秋役は本来なら岡田だったものの、玉木に変更され、そして今回は三浦に再変更。いくら千秋役の俳優がチェンジされても、のだめ役の上野は据え置きというわけです。『のだめ』に携わる関係者も“のだめ役は上野以外考えられないと思っているのかもしれませんね」(同)
賛否両論ある上野と三浦のタッグだが、『のだめ』ファンを感動させるミュージカルを作り上げてくれることを祈りたい。