歌舞伎町「トー横」の若者たちは今――元女囚が「心配しかない」と語るワケ
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける瑠壬(るみ)さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
田中聖は獄中でクスリと縁を切ったほうがいい
3月14日、元KAT‐TUNの田中聖さんの二審の判決で、名古屋高裁は一審名古屋地裁判決を支持して「懲役1年8月、執行猶予3年」としましたね。今のところ上告はしてへんようです。
以前も書いてますが、2つ目の裁判――千葉地裁松戸支部のほうの判決(覚醒剤の所持と使用)は2月27日に出ており、ソッコー控訴して保証金300万円で保釈されてます。
「執行猶予取り消し説」もありましたが、量刑に影響ないんですね。上告せずに確定しても執行猶予がつきますから、しばらくはシャバですね。千葉の裁判が確定したところで収監になるでしょう。いずれにしろシャバにいてるより獄中(なか)でクスリ(違法薬物)と縁を切ったほうがええ気もします。
瑠壬は田中さんの更生は期待できると思っていますよ。ご家族ともうまくいっているようですし、今は更新が止まっていますが、田中さんのインスタグラムを見ると、外食の際、出された料理を完食するという「気持ちいい」ごはんの食べ方をしていることがわかります。ちゃんと育ったんやなという印象です。負けないで頑張ってほしいです。
「少年院」はちゃんとやってる?
2月と3月は瑠壬も確定申告とかでバタバタでしたが、相変わらずええニュースはないですね。特に少年院を出たばかりの少年の殺人事件で、遺族が法務省と加害少年に損害賠償を請求した裁判には驚いてます。
加害少年は、事件の2日前まで少年院にいてて、出てきてソッコー事件を起こしました。「ちゃんとした矯正教育と出院後のフォローができていなかったから、法務省は責任を取れ」というわけです。
瑠壬的には、少年院はちゃんとやっていると思ってました。そうゆう例をたくさん知ってます。この加害少年の教育がどうなってたか、ちゃんと裁判でわかるとええですね。ただ、もし仮出院(ムショでいう仮出所)のハードルを上げるような判決が出ちゃうと、ちょっとどうかなあと思います。
早い仮出院を目指して頑張ってる子どもたちも多いと思うので、一律に「仮出院は慎重に」みたいになると残念かもです。
今となってはもう遅いですが、この加害少年は、子どもの頃から暴力性が強かったそうで、少年院よりも医療が必要やったかなとも思います。少年院はムショと違うて二度と犯罪を起こさないように、とにかく厳しくするので、それが向いてなかったかもしれません。
新宿・歌舞伎町の「トー横」は何でもアリに……?
最近は子どもが少ないのに、未成年の事件が目立ちますね。オレオレ詐欺や強盗に加わる未成年も多いし、大阪では2022年の大麻関連事件において、20歳未満の検挙者が172人と、全国最多・過去最多やそうです。
少年院自体は減っていますし、昔みたいないわゆる不良(ワル)やなくて、知的障害のある子も収容されてるようです。「障害」までいかなくても、物事を深く考えることのできない子どもたちも結構いてます。そうゆう子たちは簡単にオトナの餌食になります。家出して泊めてもらう代わりに、カラダの関係を持たされたりしてますね。
最近は、新宿の歌舞伎町で、10代の子たちが集まっていた新宿・東宝ビル横の広場(トー横)は、リーダーのハウルが亡くなって以降、「何でもアリ」になってるそうです。
瑠壬たちが若い頃もそうでしたが、覚醒剤とかコカインではなく、ドラッグストアで買える風邪薬などをたくさん飲むOD(オーバードーズ、過剰摂取)がはやってるんですね。飲みすぎで痙攣の発作を起こしたり、意識不明で亡くなる一歩手前までいったりする子どもたちもいてるようです。
ニュースでは、痙攣して倒れ、パンツが見えそうになりながらも、ひたすら「お疲れさまです」と繰り返す女の子に、周囲の人が無言で毛布をかけてる動画も流れており、心配しかないです。
何人か集まってると、どうしても「自分のほうが多く飲んでる」「一瓶飲まないと効かない」みたいに、変な意地の張り合いも出てくるもんです。ハウルが生きてたら「そのくらいでやめとけ」とか言うてくれたんですかね。もう大人もどう接してええのかわからへんのでしょうか。