キンプリ・平野紫耀、退所後は海外進出? 芸能人の英語の発音をプロが辛口チェック
今年5月22日をもってグループ脱退、およびジャニーズ事務所から随時退所するKing&Prince(以下、キンプリ)の平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太の3人。脱退発表の際、平野は辞める理由として「グループの海外進出という目標を叶えるにはもう遅い」という趣旨のコメントをしたほか、岸は今後の活動について「海外に関わる仕事もしてみたい」と発言。そのため、脱退・退所後のメンバーは、海外進出に向けて動くのではないかと見られており、平野にいたっては韓国の大手芸能事務所に移籍するとのウワサもささやかれている。
一方で、日本以外での活動となると当然、語学力――特に英語で会話ができる能力は必須だろう。“辞めジャニ”の先輩である山下智久は、流暢な英語を話せることもあり、Huluオリジナルの海外ドラマ『THE HEAD』(2020年)にメインキャストとして出演。さらに今年は、米仏日共同制作の主演ドラマ『神の雫/Drops of God』(Hulu)の配信も控えている。
山下のように「英語をしゃべれる」芸能人は多数存在するが、プロによると、中には“発音がいまいち”な人もいる様子。今回、サイゾーウーマンでは、「英語発音指導士(R)」の加藤博人氏に、“英語ペラペラ芸能人”の発音をチェックしてもらった過去の記事をあらためて掲載する。
(編集部)
(初出:2017年11月12日)
赤西仁、木村拓哉、石原さとみ……「英語発音指導士」が“ペラペラ”芸能人を辛口診断!
日本国内では、芸能人が英語を話していると「すごい!」「ペラペラ!」と尊敬され、英語っぽく聞こえていれば「発音すごい!」と評価してもらえるだろう。必死で覚えてきた英語の文章を暗記してしゃべるだけでも、「流暢な英語であいさつした」と絶賛されるのが通例だといえる。しかし、プロの耳からすれば、それらが本当にきれいで正しい発音とは認められない場合もあるだろう。
そこで、英語ペラペラ芸能人の発音は本当に正しくきれいなのか? 英検1級、TOEIC(R)980点、TOEICリスニング・セクション30回連続満点の最年少「英語発音指導士(R)」高校2年生の加藤博人氏に芸能人の発音を辛口チェックしてもらった。
工藤静香&木村拓哉夫妻を比較
まずは、お子様たちをインターナショナルスクールに通わせているセレブママの代表、工藤静香の英語から。2007年11月放送の『英語でしゃべらナイト』(NHK)に出演した時の英語を聞いてもらった。
「イントネーションも発音も、週に1回40分×5年間くらい英語を勉強してきたレベルです(つまりヘタ)。不自然な巻き舌が耳障り。全体的に語尾を伸ばしすぎです。たとえば『アイム ア シンガー』という際、singerという単語の語尾が長すぎます。シンガァアア~な感じです。全体的に語尾を上げて伸ばしてしゃべるのは、英語に自信がない人の特徴ですね」
では、夫の木村拓哉はどうなのか? キムタクも「英語が上手」というウワサがある芸能人の1人ではある。
「静香さんよりは良いですね。日本語のしゃべり方と英語のしゃべり方が似ています。不自然な巻き舌などはなさそうですね。ただ、発声はいまいちですね。英語発音特有の口の筋肉を使うことができていません。アメリカ英語は特に、おなかから声を出す感じなんですが……それができてないですね」
赤西仁の英語は本物!
06年に語学留学で渡米し、その後KAT-TUNを脱退して以来、アメリカでの音楽活動にも積極的な赤西仁はどうか? YouTubeで見つけたファンが作ったと思われる「赤西仁の英語ヒストリー」という動画でジャッジしてもらった。
「発音はきれいですね。ちゃんと英語を発音するための口の筋肉を使っています。アメリカでの生活が長いようですから、しっかりと地に足の着いた英語です。赤西さんの英語は年々、その進化がわかることがすごいです。07年頃に最初のブレークスルーが来ていますね。さらに16年にも発音力、流暢さがアップしています」
俳優の鈴木亮平は難関の東京外国語大学外国語学部欧米第一課程英語専攻を卒業している、かなりガチな英語話者。ドイツ語や中国語も堪能だ。大学時代には、NHKで英語での受け答えをする電話問い合わせのアルバイトを3年していた経験があるという。14年8月、日本外国特派員協会で映画『TOKYO TRIBE』について記者会見した動画をチェック。期待できそう!
「今回聞いた芸能人の中では、最も発音がきれいです。話す内容や文法も正しくて、“正しい英語”を使い慣れていますね。発声も日本語とは違う場所から出ている感じで、ホントの英語を話しているんだなという印象です。素晴らしいです」
実はハリウッドデビューしていた北川景子の英語力は?
北川景子が06年のハリウッド映画に出演していたことはあまり知られていないが、『間宮兄弟』で映画デビューして4カ月後に、『ワイルド・スピード X3 TOKYO DRIFT』にちょい役で出演している。ファンからは英語がすごくできると思われているようだが……。実は英語をしゃべっている動画が少なく、YouTubeにアップされていたワイナリーを巡る番組で発見した英会話シーンで診断。
「検証が正しいかどうかはわからないのですが……しかし、『oh!』『wao』『Hhh』などの言葉が多く、センテンスとして成立していたのは、『What do you think about it?』だけで、大したことは話せていません。外国人との会話も笑ってごまかしているようなシーンが多いですね。美しい人ですからそれでいいんでしょう」
福士蒼汰は中学の時に、英語の先生に「発音がいいから、英語をがんばれ」と励ましてもらったことがきっかけで、英語学習に目覚めたそう。彼の発音は実際どうなのだろうか? 2014年のローマ国際映画祭でのスピーチを聞いてもらった。
「スピード感はいいと思います。発音は日本人にありがちな『こもり系』ですね。動画の中で、イタリア語でスピーチをしているシーンがありましたが、あのイタリア語は英語発音が入っていていまいちでした。英語の発声には腹筋を使っていないと思われ、口先だけで声を出しています。英語はもっと、おなかから声を出すのが良いとされているのです」
英会話講師役も演じた石原さとみは?
では、映画『シン・ゴジラ』で、日系三世のアメリカ人を堂々と演じていた女優・石原さとみの発音はどうか? ドラマでの英会話講師役、英会話スクールのCMでも英語を披露している。一般的には“英語ペラペラ”の芸能人である。
「正しい英語発音を知らない人には流暢に聞こえる英語だと思います。聴解力は、結構良いですね。発音は残念です。石原さんの発音は日本人英語ではなくて、中華系の英語に似ています。たとえば、teachers(先生の複数形)の発音の場合、石原さんの発音は『cher』が日本語の『茶』になっています。実際には『チェルノブイリ』の『チェ』に近い発音です。LとRの発音も適当ですね。変に巻き舌なので、わざとらしく、そして正しい発音ではありません」
なかなか厳しく鋭い英語発音ジャッジだったが、読者の皆さんはどんな印象を持っただろうか? 少なくとも「石原さとみは英語が上手!」というイメージは、いったん消した方がいいのかも?