『ジョブチューン』一流料理人の炎上は狙い通り? テレビ関係者が明かす制作の舞台ウラ
職業型バラエティ『ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)がたびたび世間をにぎわせている。
同番組のメイン企画は、大手コンビニの商品やファミレスなどの人気メニューを、一流の料理人がジャッジするというもの。彼らは、商品を絶賛することもある一方で、例えばファミリーマートの「直巻和風ツナマヨネーズおむすび」の試食を拒否したり、ロイヤルホストの名物「パンケーキ」を「家庭でも焼けるレベル」などと酷評し、波紋を呼ぶことも多い。
テレビ業界関係者によると、プロがそこまでひどい物言いをするのには、何やら“事情”があるようだ。
「審査する料理人を仮想敵にすることで、視聴者にそのコンビニやファミレス、ならびにその担当者へ感情移入させるという狙いがあるんです。同番組に出ている、ミシュラン一つ星のとあるシェフに取材したことがありますが、実に穏やかな口調で接してくれました。ただ、同番組に登場すると、人格が変わったように “口撃”していて……。おそらく演出上、厳しくしてくれと言われているのでしょう。もしくは、こと料理に関しては本当に厳しいのかもしれません。いずれにしても、店側も番組で自社商品が紹介されれば、それがたとえ酷評されたとしても、興味をそそられる視聴者がいると踏んでいるのでしょう。番組に出てくる企業が絶えないのはそこに理由があり、実は彼らも一種、番組が仕掛けた世界観の“共犯者”なのです」(テレビ業界関係者)
TBSで、“審査”が売りのバラエティといえば『プレバト!!』もある。同番組は「才能を査定する」という名目で、俳句や水彩画、スプレーアートなど主に学芸・美術分野において、芸能人の実力や潜在能力を試す内容。実はこの2番組には共通点があるという。
「両番組は、チーフ作家を中野俊成氏が務めています。中野氏は現在、テレビ朝日系で『アメトーーク!』や『ロンドンハーツ』『ポツンと一軒家』といった人気番組を手がける超一流作家。ちなみに、『プレバト!!』の審査は『ジョブチューン』ほど辛辣なものではありませんが、それはレギュラー放送されている午後7時という時間帯のためだと思います。『ジョブチューン』は土曜夜8時。時間が1時間変わるだけで視聴者層や心理が変わるので、『ジョブチューン』は“真剣味”“熱量”が必要と考えたのでしょう」(同)
なお、『ジョブチューン』の制作プロデューサーにも“特徴”がある。
「正木敦氏は、TBSの『サンデー・ジャポン』を立ち上げたスタッフです。またそれ以前には、各国の外国人が文化や価値観をめぐって、テリー伊藤といった言葉に遠慮がない著名人と激しく罵倒しあうことで知られた『ここがヘンだよ日本人』(同)をプロデュースしていました。どのようなバトル展開が注目を集めるのか、どうすれば意図する方向で炎上するのかわかっているのでしょう」(同)
こうした制作陣によって、料理人が忖度なく斬るという構図が出来上がっている『ジョブチューン』。ネット上で炎上するのも、織り込み済みといえそうだ。