フジドラマは今

『女神の教室』『silent』『エルピス』低視聴率でも視聴者に支持されるフジドラマの特徴

2023/02/09 17:27
サイゾーウーマン編集部
『女神の教室』『silent』『エルピス』低視聴率でも視聴者に支持されるフジドラマの特徴
一時は月9廃止論まで出ていたフジテレビだが……(C)サイゾーウーマン

 4月クールのフジテレビ系「月10」枠で、天海祐希主演の連続ドラマ『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』が放送されるという。同クールのフジ「月9」枠は木村拓哉主演の連ドラ『風間公親-教場0-』の放送が決定しており、「フジが来期の月曜ドラマに力を入れていることが伝わってくる」(芸能ライター)という。

 天海が主演する新ドラマは、小説家・柚月裕子氏の『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』(講談社)を実写化。元弁護士で頭脳明晰、さらに“変装の達人”でもある女探偵・上水流涼子(天海)が、IQ140の相棒・貴山伸彦(松下洸平)とともにさまざまな事件を解決していくストーリー。情報解禁を受け、ネット上には「天海さん主演ならいいドラマになりそう」「洸平くんとのタッグも楽しみ!」といった期待の声が寄せられている。

「同じく4月からスタートする『風間公親-教場0-』は、2020年と21年に放送された新春スペシャルドラマ『教場』シリーズの最新作。小説家・長岡弘樹氏の同名小説(小学館)が原作で、スペシャルドラマは警察学校の教官・風間公親(木村)と警察官を志す訓練生たちの物語でした、連ドラではその前日譚として、風間が新人刑事を教育していた頃の話を展開します」(同)

 これまで、20年1月4日放送の『教場』前編が世帯平均視聴率15.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、翌日の後編が15.0%、21年1月3日の『教場II』前編は13.5%、翌日の後編は13.2%と、高視聴率を記録してきたシリーズとあって、『風間公親-教場0-』にも期待がかかる。

「一方で天海も、直近の連ドラ主演作『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』(日本テレビ系)で全話平均11.3%をマークしていました。また、そんな天海が新たに主演を務める『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』の原作は、『孤狼の血』(角川書店)シリーズの映画化などでも注目されてきた柚月氏が手掛けており、話題性も十分。来期の『月9』『月10』には、フジの並々ならぬ気合を感じます」(同)

 ただ、最近の同局ドラマは、以前とは異なり、視聴率が振るわずとも、視聴者から絶大な支持を集めるオリジナル作品が少なくない。例えば、昨年10月クールの「木曜劇場」枠で放送された『silent』。川口春奈が主演を務め、Snow Man・目黒蓮が“若年発症型両側性感音難聴”を患う役を好演し、一大ブームを巻き起こした。

 また、同クールの「月10」枠で長澤まさみが主演した『エルピス -希望、あるいは災い-』も、政権批判を盛り込んだ骨太な社会派ドラマが大反響を呼んだ。どちらも、視聴率こそ1ケタ台を連発したものの、「近年のフジを代表するドラマになったのは間違いない」(同)という。

「また、現在の『月9』枠で放送中の『女神の教室~リーガル青春白書~』(北川景子主演)も、視聴率面は厳しい状況に陥っていますが、今月6日放送の最新話で“痴漢被害”を真っ向から描き、ネット上で評価されていました。『silent』『エルピス』『女神の教室』はいずれも原作なしのオリジナルドラマで、派手さこそないものの、これまでスポットライトが当たってこなかったテーマを真摯に描き、好評を博している印象。そういう意味でいうと、来期の木村や天海のドラマが、真の意味で視聴者の支持を得られるかは未知数です」(同)

 『風間公親-教場0-』『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』はともに初回は間違いなく高視聴率を叩きだすだろうが、それを作品の評価につなげていけるだろうか。

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最終更新:2023/02/09 17:27
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