映画『THE FIRST SLAM DUNK』は「コスパが悪い」? 声優・木村昴が明かした「アフレコに2年」の“要因”
つまり『THE FIRST SLAM DUNK』は、異例ともいえるスケジュールで製作されたわけだが、それゆえに「コスパが悪いと言わざるを得ない」(同)そうだ。
「収録に2年もかかっていると聞くと、『それだけこだわりをもって大切に作られた作品』と思う人も多いかもしれませんが、声優にとっては得がないのでは。『THE FIRST SLAM DUNK』も、どれだけ時間をかけたところで、映画1本のギャラしか入らないと考えると、たった2行のセリフに1日かけるなんて、出演者からするとストレスでしかないはず」(同)
なお、アニメ監督ではスタジオジブリの宮崎駿氏も、「一言のセリフに対する思い入れが強く、何度も出演者にリテイクさせることで知られている」(同)とか。ジブリ作品は俳優をメインキャラクターに起用するケースが多いため、声のみでの演技に慣れていない分、時間がかかってしまうのは致し方ないことなのかもしれない。
「しかし、『THE FIRST SLAM DUNK』のキャストは全員本職の声優なので、歴に違いはあれど、ある程度のスキルは持っている。アフレコに2年もの年月を要したのは、今作で初めてアニメ映画の監督を務めた井上氏の力量不足が影響しているのでは」(同)
今回のように、原作者が監督を務める場合は、「実力のある音響監督が補佐役につく場合がほとんど」(同)だそう。
「音響監督は、アニメ収録の舵取り役。しかし、今作の制作を手掛けた東映アニメーションは、基本的にどのアニメ作品にも音響監督がつかず、監督がそのまま音響監督の仕事も担当する極めて特殊な体制をとっているんです。『THE FIRST SLAM DUNK』は、音響監修こそいたものの、音響監督が不在であり、これもまた、ここまで時間がかかった要因の一つといえるでしょう」(同)
とはいえ、下馬評を覆して大ヒットしているため、キャストやスタッフ陣はほっと胸をなで下ろしていることだろう。リピーターも続出しているだけに、まだまだ動員を伸ばしそうだ。