映画『THE FIRST SLAM DUNK』は「コスパが悪い」? 声優・木村昴が明かした「アフレコに2年」の“要因”
昨年12月3日に公開され、累計興行収入82億円を突破したアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』。大ヒット中の同作で主演を務める声優・木村昴によると、アフレコには2年もの歳月がかかったそうだ。声優業界関係者はその制作期間の長さについて、「コスパが悪いと言わざるを得ない」と語る。
1990年10月から96年6月まで、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載された伝説的漫画『SLAM DUNK』を、原作者・井上雄彦氏自らメガホンをとりアニメ映画化した同作。連載とテレビアニメの放送終了から約26年ぶりの新作アニメだけに、2021年1月に制作が発表されると、往年のファンから大きな期待が寄せられた。
その後、特典付きの前売り券の発売後に、声優陣がテレビアニメ版から一新されることが明らかになると、ネット上ではブーイングが続出。映画公式サイトで公開されているインタビューで、スタッフが「コミックで読んでいた時は“青春おバカな感じ”があった」「そもそも『SLAM DUNK』をあまり知らなかった」と話していたことも影響して、大炎上を巻き起こし、公開前は「大コケ」も懸念されていた。
しかし、いざふたを開けてみると、公開初週の土日2日間で84万7,000人を動員し、興収12億9600万円を記録。12月3~4日の「全国映画動員ランキング」(興行通信社調べ)で初登場1位にランクインした。今月16日発表の同ランキング(1月13日~15日)でも7週連続1位をキープし、累計動員数567万人、興収82億7500万円を突破する大ヒット作になったのだ。
ネット上では、「声優さんが変わってたけど、違和感なく楽しめた」「CGで再現された試合シーンがリアル」「カットされたシーンが多くて残念」「旧アニメのテイストを期待して見に行ったらガッカリした」と賛否両論あるが、そもそも原作が大人気コミックだけに、多くの人が劇場に足を運んだのだろう。
なお、同映画で主人公・桜木花道役を務める声優・木村昴は、1月8日放送の『アッコにおまかせ!』(TBS系)に出演した際、制作の裏側について言及。「声優人生でまったくやったことのないお芝居に挑戦してる。なるべく生々しい、実写映画に近いお芝居をしてる」と収録を回顧した。
また、「一言に3時間かけて収録する時もあったり、2行のセリフを丸1日かけて」収録することもあり、アフレコには2年ほどの歳月がかかったと告白。「井上監督が僕の横にずっといて収録している感じ」「一緒に、先生(井上監督)がイメージする桜木花道に近づいていくような作業」だったという。
こうした木村の発言からも、かなりこだわって製作されたことがうかがえる『THE FIRST SLAM DUNK』だが、通常、アニメ映画はアフレコにどれほどの時間を要するのだろうか。
「アニメ映画の場合、 だいたい2日間で録り終え、予備としてもう1日スケジュールが確保されます。コロナ禍の今は感染予防の観点から、キャスト全員を一度に集めることが難しいため、6日ほどかけて別々に収録するのではないでしょうか。出演者は、レギュラー仕事のない日に終日拘束されます。ギャラは声優のランクや映画の放映時間によって異なりますが、 だいたい1本20万前後です」(声優業界関係者)