『silent』Snow Man・目黒蓮はコメディもいける! 『すずめの戸締まり』SixTONES・松村北斗は芝居が高評価――2022年にブレークした若手ジャニーズ
2022年は、19年のジャニー喜多川氏亡き後、模索されてきた世代交代がついに実現した年だと感じた。というのも、ジャニーズ事務所所属の若手俳優が次々とブレークしたからだ。この1年間で俳優としての知名度を一気に上げたジャニーズたちを振り返りたい。
『silent』で表現力を見せつけたSnow Man・目黒蓮
まず、Snow Manの目黒蓮が10月期の連続ドラマ『silent』(フジテレビ系)で大ブレーク。本作で目黒は「若年発症型両側性感音難聴」を患った青年・佐倉想を好演。ほとんど台詞を発さず、手話と表情のみで感情を表現する難しい役だったが、だからこそ、本人の持つ優しい雰囲気が滲み出ていた。
同時期に放送がスタートした連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『舞い上がれ!』(NHK)にも目黒は出演しており、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が航空学校で出会うパイロット候補生の柏木弘明を演じている。
こちらは、想とは真逆と言える厳格な男。舞たち仲間に厳しいことを言う性格だったが、やがて完璧主義ゆえに抱える心の弱さを見せるようになり、人間として成長していく。初めは反目していた舞と打ち解けていく姿を通して描かれる、他人(世間)とズレた部分がチャーミングなキャラクターで、コメディもイケることを証明した。
『silent』と『舞い上がれ!』の成功によって、今後は新世代のジャニーズ事務所を牽引するスター俳優として成長していくことは間違いないだろう。主演作もこれから増えていくのではないかと思う。
ドラマだけでなくアニメ映画でも活躍したSixTONES・松村北斗
目黒だけでなく、近年は朝ドラからブレークする若手ジャニーズが多い。SixTONESの松村北斗も、22年4月まで放送されていた朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で、ヒロイン・安子(上白石萌音)の夫役・雉眞稔を好演。安子をいたわる優しい青年の役だったが、若くして戦争によって命を落してしまい、早期退場することに。しかし、物語後半も“幽霊”として印象的な登場を果たした。
また、4月期の恋愛ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ系)では、ギャルソン兼見習い料理人の長峰柊磨を演じた。柊磨はイケメンで、女性のほしがる優しい言葉や笑顔を返す感覚が天才的だが、恋愛に関しては刹那主義的で、自分が求めているものが何かわからないというミステリアスな男性。どちらの役柄も高貴な王子様といった印象で、北斗のアイドル性が生かされた役だったといえる。
そして、何より大きかったのが新海誠監督のアニメ映画『すずめの戸締まり』で声優を務めたこと。松村が演じた宗像草太は、日本各地にある災いの扉を閉じる“閉じ師”だが、猫の姿をした神獣・ダイジンに“椅子”へと変えられてしまい、元の姿に戻るため、ヒロイン・鈴芽と共にダイジンを追いかけて旅をすることに。声の芝居だからこそ可能な、振り幅のある芝居が高く評価された。
今や国民的アニメ作家といえる新海監督の作品に声優として抜てきされることは、『仮面ライダー』(テレビ朝日系)の主演に匹敵する。つまり、若手俳優が国民的人気俳優になるための登竜門となっている。松村も本作をきっかけに大きく羽ばたくことは間違いないだろう。