『ポップUP!』は失敗して『ラヴィット!』が成功した理由――お笑いに振り切った演出とTVer配信
12月23日、情報バラエティ番組『ポップUP!』(フジテレビ系)が最終回を迎えた。今春、8年の歴史に幕を下ろした『バイキングMORE』の後継番組として動向が注目されていたが、スタートからわずか9カ月での終了となった。
「この日の特集は、平成ノブシコブシ・吉村崇による現代アートの購入、ハナコ・菊田竜大とハルカラ・和泉杏夫婦の家のマイホーム大改造、『笑顔スペシャリスト』がクイズ形式で好感度アップの笑顔を伝授するコーナーなど、特に“最終回”感もなく、あっさり終了。最後は『ポップUP!ゲームパーク』というコーナーで、メンバーがテーブルクロス引きに挑戦していました」(芸能ライター)
放送開始当初は、番組内容のつまらなさを揶揄するネット記事も多かったが、そもそも視聴率が地を這うほどの低アベレージということもあり、次第に話題にすら上がらなくなった。そんな『ポップUP!』は「明らかな失敗といえる」(テレビ業界関係者)そうだ。
「同じように最初は批判されながらも、徐々に視聴者から受け入れられるようになっていった情報バラエティ番組『ラヴィット!』(TBS系)とは雲泥の差です。同番組も、昨年3月のスタート時は『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)と内容が酷似しているなどと叩かれました」(テレビ業界関係者)
『ポップUP!』と『ラヴィット!』はどこで差がついてしまったのだろうか。
「『ラヴィット!』は、生放送でドッキリを仕掛けるなど“お笑い番組”に振り切っている。芸人が貪欲に笑いを取りに行く姿は、朝の番組にしては珍しいといえ、そこで視聴者の心をつかむことができました。さらに特筆すべきは、朝の生放送番組を『TVer』で見逃し配信していることで、これによりファン層の拡大に成功。ちなみに登録者数は57.6万人(12月27日現在)と健闘しています」(同)
また、『ラヴィット!』のブームを起こすために、TBS全体が動いたこともポイントだったようだ。
「昨年10月、元ゆるめるモ!のメンバーで歌手のあのがゲスト出演しましたが、実はレギュラー陣には知らされないまま、同局の『水曜日のダウンタウン』とのコラボ企画が敢行されていたんです。あのは千原ジュニアや霜降り明星・粗品らの遠隔操作によって、クイズコーナーで珍回答を連発し、この放送回は大きな話題となりました」(同)
そもそも、『バイキング』の前は『笑っていいとも!』が放送されていたが、今のフジテレビは「『いいとも』で培った生放送のノウハウを、みすみすドブに捨てている印象さえある」(同)という。
来年1月からは『ポップUP!』に代わり、ハライチと神田愛花による『ぽかぽか』がスタートする。フジテレビによると、「『笑っていいとも!』『バイキング』を手掛けてきたフジテレビのバラエティ制作陣が再び総力を結集して挑む」とのことだが、果たして、長年愛される番組になれるだろうか。