石田純一&いしだ壱成親子の初共演映画が“匂う”――ビッグマウス&計画性のなさが際立つ怪作の予感
「父子そろって、いつまでたっても身の程知らずの夢を見ることをやめない」でおなじみの石田純一といしだ壱成。父の純一は、最終的に断念したとはいえ、16年に唐突に都知事選に名乗りを上げたことが記憶に新しい……というか絶対に忘れてやらないし、後世まで語り継いでいきたい。
さらに、それから遡ること9年の07年には「映画の脚本とプロデューサーをやってみたい」と高校生の夢みたいなことを語っていた。「俺ちゃんが脚本を書き、北野武に監督を依頼して、悪の構造をダイナミックに描く刑事映画」を構想中だといい、翌年には「小山薫堂を脚本家に据えた恋愛映画」も加えて、「2本同時で進めている」などと大風呂敷を広げていたのだが、あれから十数年、そのいずれも実現には至っていない。
一方、息子の壱成も負けていない。18年に24歳下の女優・飯村貴子と3度目の結婚をし、一女を授かるも、21年に離婚。そこからどうやらタガが外れたようで、今年に入ってから複数のインタビューで、父・純一も顔負けのビッグマウスを全開にしている。
「俺ちゃんがプロデューサー兼監督をやってアジアで映画を作りたい」「製作費は220億円(中国の大作映画『レッドクリフ』を参考にした)」「沢尻エリカ、酒井法子、ピエール瀧、田代まさし、伊勢谷友介など、薬物で一度逮捕された役者を使いたい」「60代になったらヨーロッパの演劇で舞台に立ちたい」「石川県で国際演劇祭を立ち上げる」「友達以上恋人未満のガールフレンドが5人いる」「そのうち2人とは結婚を考えている」……等々、「こいつ大丈夫か?」というレベルの大口を叩いている。
そんな石田親子が初共演した映画『散歩屋ケンちゃん』が公開されるらしい。「2023年4月公開予定!」と謳っているのに、そして途中まで撮影も進んでいるというのに、公式サイトで「2022年11月7日~12月31日の間、クラウドファンデイングを実施します!」と告知するという、なんともガチャガチャ後手後手の制作スタイルだ。おそらく、見切り発車で作り始めたものの、途中で予算が足りなくなったのではないだろうか。企画段階から石田親子がどの程度口出ししているのかは不明だが、「さすがビッグマウスで計画性がないことでおなじみの純一&壱成が絡む映画は一味違わあな!」と、思わず興奮してしまった。
肝心の内容はというと、依頼者と一緒に歩いてお金をもらう「散歩屋」を生業とするケンちゃん(壱成)が、さまざまな事情を抱えた人々との交流を通じ、生き別れになったグルメ漫画家の父(純一)と向き合う決心をする……というストーリーらしい。これは、かなり匂う。香ばしさがジュンジュンに漏れ出しているではないか。『PFF(ぴあフィルムフェスティバル)』に応募する学生映画のほうがよっぽどちゃんとしているぞ。ぜひとも見てみたい。でも、これって、クラウドファンディングで資金が集まらなければ、途中まで撮影しているのにもかかわらず、お蔵入りになる可能性もあるということですよね。大丈夫か、おい。
しかも『散歩屋ケンちゃん』ってタイトル、宮脇健(旧芸名:宮脇康之)主演の往年の児童向けドラマ『ケンちゃん』シリーズ(TBS系)をもじってつけたんでしょうけど、純一と壱成という、そろって「下半身がいたずら坊主」の時期をムダに経た父子の共演作品となると、筆者は往年の裏ビデオの怪作『洗濯屋ケンちゃん』のほうを思い出してしまいましたよ。
……というわけでね、来年もまだまだひどい世の中だと思うけども、こういう味ニュースを読んで「バッカバカしい!」とスマホを投げるぐらいが、ちょうどいいかもしれませんね。それじゃあ皆さん、良いお年を!