カルチャー
大関暁夫氏インタビュー【後編】
King&Princeの空中分解を招いたジュリー氏……経営のプロが語る「ジャニーズ事務所立て直し」のためにすべきこと
2022/11/24 21:00
――社外取締役には、どのような人物がふさわしいのでしょうか。
大関 直接の利害関係がないまったく別の業界の企業運営に精通した人物、あるいは弁護士などの専門家です。逆に、自分の息のかかった直接の利害関係がある人物を社外取締役に選ぶのは間違っています。例えばレコード会社やテレビ局の人間を選んだ場合、何かあった時、ジャニーズサイドが「おたくの会社からはCDを出さない」「おたくの局にはタレントを出さない」と言いだしかねませんから。なお、社外取締役の人数は、取締役会の過半数は必要でしょう。ジュリー氏の意見よりも社外取締役の意見が強い状況を作るのが、組織運営の透明化の第一歩です。
――次のステップは何でしょうか。
大関 株式公開(自社の株式を証券取引所に新規上場させること)です。これも一般株主という第三者に経営を監視させる意味合いがあります。社外取締役も一般株主の承認が必要になりますし、さらに透明化が進むでしょう。
株式が公開されれば、ファンが株を買うでしょうから、ジャニーズ事務所はファンの声に耳を傾けざるを得ないことになります。ファンと社外取締役の声をうまく取り入れながら組織運営をしていけば、タレントたちも事務所の決定に対し、「経営に詳しい人とファンがそう言っているのだから」という納得性が生まれ、不満も出にくくなるはず。
ジャニーズ事務所の社会に与える影響力を考えても、株式を公開するべき段階に来ていると感じますね。