カルチャー
大関暁夫氏インタビュー【前編】
ジャニーズ事務所、滝沢秀明氏とジュリー氏の「本当の力関係」は? 経営のプロが明かす「同族経営」の実情
2022/11/23 16:00
――ジャニーズ事務所は、ジュリー氏と滝沢氏の2トップ体制のように見えていましたが、その力関係は歴然していたということでしょうか。
大関 滝沢氏の立場は、あくまで関連会社の“サラリーマン”社長。一族以外の人は、会社運営の実権を握ることはできなかったと思います。ジュリー氏と滝沢氏が揉めたとき、どちらの意見が通るかといえば、最終的にはジュリー氏でしょうし、また、滝沢氏が何か要望を出しても、オーナーであるジュリー氏に「私の言う通りにしてください」と否定されたら、反発できない立場だったといえます。
――滝沢氏は、退社理由を公にしていないのですが、一部では、ジュリー氏との確執が背景にあるとうわさされています。11月1日付の「スポニチ」では、ジャニーズを古くから知る関係者の「滝沢さんが手掛けたグループは、デビューから2年で彼の元を離れることが決まっている」という証言が掲載されました。ジャニーズファンの間では、ジュリー氏が滝沢氏からSnow ManとSixTONESを“奪った”ことが、退社の原因ではないかとも言われています。
大関 一部では「円満退社」と報じられていましたが、信じがたいですよね。ただ、滝沢氏退社の背景に、「ジュリー氏がSnow ManとSixTONESを“奪った”ことが関係している」という説には、思うところがあります。
滝沢氏寄りの立場から見ると、そういった臆測も成立すると思うのですが、一般的な組織管理から考えると、全然おかしな話ではありません。「デビューさせたグループがある程度まで成長したら、別の人にマネジメントを託し、次のグループの育成に力を注ぐ」というのは、組織の運営としては、役割の明確化という点から理にかなっていて、効率的です。