ジャニーズ事務所、滝沢秀明氏とジュリー氏の「本当の力関係」は? 経営のプロが明かす「同族経営」の実情
ジャニーズ事務所が激震に見舞われている――11月1日、ジャニーズ事務所副社長および関連会社ジャニーズアイランドの社長・滝沢秀明氏が退社。その3日後には、事務所の看板グループであるKing&Prince(以下、キンプリ)から、平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太が脱退・退所することが発表された。
2016年末にSMAPが解散して以降、グループの解散や活動休止、タレントの離脱が相次ぐジャニーズ事務所だが、滝沢氏退社とキンプリの分裂は、業界内外にこれまで以上の衝撃を与え、ファンの間では、“ジャニーズの崩壊”を不安視する者も少なからずいるようだ。
果たして、ジャニーズ事務所内部で一体、何が起こったのか――今回、“組織のプロ”である企業コンサルタント・大関暁夫氏に取材を行い、同族経営のジャニーズ事務所で滝沢氏がどのような立場に置かれていたのか、話をお聞きした。
ジャニーズ事務所が求心力を失った証し? King&Prince脱退・退所の情報漏洩
――滝沢氏のジャニーズ事務所退社、King&Prince3人の脱退・退所が立て続けに発表されましたが、率直にどのような感想を抱きましたか?
大関暁夫氏(以下、大関) 組織の中が、かなりおかしくなっているのだろうと思いました。というのも、私が一番気になったのは、ジャニーズ事務所がキンプリの脱退・退所の発表を前倒しにした点。公式サイトによると、その理由を「準備を進める中で憶測による情報が先行して流れる可能性がござましたので」と説明していますが、要するに情報が漏れていたわけです。
内部から不平不満が出ず、しっかり統制が取れ、円滑に組織運営がされているときは、人は出て行かないし、情報も漏れない――そう考えると、今の体制に不満を持つ人が、情報を外部に流したのではないかと思ってしまいました。
それに、滝沢さんは関連会社の社長になって4年目で退社、一方のキンプリはデビュー5年目で空中分解と、明らかに“早い”ですよね。組織が求心力を失っていることの証なのではないでしょうか。
ジャニーズ事務所はオーナー系企業、独裁的な経営がまかり通る
――ジャニーズ事務所はいわゆるオーナー系企業(同族経営)です。そういった会社で、オーナー一族ではない人物が、先代の仕事を引き継いだ場合、滝沢氏のようにすぐ辞めてしまうケースはよくあるのでしょうか。
大関 珍しくはありません。オーナー系企業の特徴は、組織がオーナーのカラーに染まること。先代オーナーの“番頭さん”(右腕)だった外部の人が業務を支えていても、新しいオーナーに代替わりすると組織のカラーが一変しますから、その色に合う/合わないという問題は当然出てくる。先代オーナーの番頭さんが、新しいオーナーの番頭さんも務まるのかというと、そうならないケースも多いです。
――先代オーナーはジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏、新しいオーナーは現社長の藤島ジュリー景子氏、そして番頭さんが滝沢氏ですね。
大関 そうです。オーナー系企業は、株主の大半をオーナー家で所有しており、一族の社長が筆頭株主というケースが非常に多い。つまりオーナー家の社長が会社を意のままに動かせるので、「私の言うことを聞かなければクビ」といった独裁的な経営もまかり通ってしまいます。