新海誠『すずめの戸締まり』の原菜乃華&松村北斗は絶賛も――声優業界関係者は『天気の子』の俳優を厳しく評価
また、『君の名は。』は出演者の芝居以前に、作品自体の評価も非常に高く、アメリカの映画興収データサイト「ザ・ナンバーズ」の発表では、17年1月時点で全世界興行収入約379億円を記録。ジブリ映画『千と千尋の神隠し』(01年)を抜いて、日本アニメ歴代1位に躍り出た。その後、全世界興収約515億円をマークした『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20年)にその座は奪われたものの、日本の映画史に残る大ヒット作となった。
「『君の名は。』という高いハードルを越えるため、醍醐と森は、神木と上白石の演技を意識したのか、2人の芝居にそっくりなんです。もしかすると、新海監督がそれを求めたのかもしれませんが、彼らの個性が存分に発揮されず、『この芝居なら、神木と上白石でもよかったのでは?』と思わせられる仕上がりだったのが残念でした」(同)
なお、『天気の子』では、帆高が務める編集プロダクションの社長役に小栗旬、そこで働く女子大生役で本田翼が出演。ネット上では「セリフが棒読み」「醍醐と森より演技がヘタ」などと批判的な声も上がっていたが、前出の関係者も「ファンに媚びていた」と厳しく評価する。
「小栗と本田の演技も、そこまでよかったわけではないため、本業の声優を起用してもよかったのではないかと思いますよ。『天気の子』が上映されたのは19年。もし今公開するのであれば、小栗のような俳優をキャスティングしなくても、近頃顔出しでのドラマ出演が続き、ある程度集客も見込める津田健次郎に演じさせたほうがよっぽど良い作品になったと思います。ただ一方で、刑事役に起用された人気声優・梶裕貴は、正直、作品にミスマッチだったと感じました。『天気の子』は、俳優・声優のそれぞれのファンを意識しすぎた結果、キャスティングに失敗した印象があります」(同)
『すずめの戸締まり』に出演している松村は、ジャニーズの人気グループ・SixTONESのメンバーでもあるため、今作も「ファンに媚びる」という点では『天気の子』と共通しているといえるだろうが、「うまくハマっていると感じる」(同)とのこと。
果たして『すずめの戸締まり』は、作品として『君の名は。』『天気の子』の評価を超えることができるのか。火曜日に興行通信社から発表される「国内映画ランキング」の結果も含めて、今後の動向に注目だ。