知られざる女子刑務所ライフ156

廃院になった精神病院の闇――元患者が明かす「廊下でレイプ」「差し入れ着服」恐ろしい実態

2022/11/13 17:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

覚醒剤を使っていた22歳……突然、布団で簀巻きにされて精神病院へ

 瑠美が収容されたのは22歳の時です。自分で覚醒剤を使いながらバイ(密売)もしていました。兄からは「瑠美、おまえクスリ(違法薬物)いっとるやろ?」と聞かれて、「やってへん」と答えていましたが、バレバレでしたね。

 ある日、ツレとクルマに乗っていたら、黒塗りのハイエースが急に道路に出てきたんです。危ないと思って止めたら、ハイエースから屈強なお兄さんたちが6人ゾロゾロと降りてきて、フロントガラスとドアのガラスをコンクリートブロックで割りだしました。

「ちょ、やめんかい! コラッ」

 怒鳴ってもムダな抵抗ですよね。瑠美は引きずり出され、布団で簀巻きにされてハイエースに乗せられました。

(何やらかしたんやろか……)


 簀巻きのまま考えましたが、ほんまに思い当たることがありませんでした。

(このまま輪姦されて殺されるんかなあ)
(山に埋められたら虫がいっぱいいてるな……イヤやなあ)
(海に放られるのも怖い……)

 などとぐるぐる考えてると、屈強なお兄さんの一人が「間違いありません、妹さんやと思います」と電話をしているのが聞こえました。

 兄の後輩さんたちのようです。殺される不安はなくなりましたが、いかんせん簀巻きですからね。わけわかんないまま降ろされたのが大和川病院でした。

 そこから3カ月、瑠美はまさに地獄を見ることになります。ちなみにクルマに乗っていたツレは自分だけ逃げました。それ以来、音信不通です。


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