ヘンリー王子とアンドリュー王子は「不適切」、アン王女が昇格か? チャールズ国王代理の役職めぐり、政府と議会で議論
英王室の公務から引退したヘンリー王子とアンドリュー王子について、チャールズ国王の代理を務めることができる「カウンセラー・オブ・ステイト」の役職を持ち続けるのはおかしいと、貴族院の議員たちが異議を唱えた。
彼らは「君主の公務のほとんどを代行できる権利を持つ『カウンセラー・オブ・ステイト』には、普段から公務を行っているシニアメンバー(主要王族)がふさわしい」と主張しており、今後の展開によっては、ヘンリー王子とアンドリュー王子が外され、国民からの好感度が高いアン王女とエドワード王子が昇格するのではないかとみられている。
1937年に定められた摂政法により「カウンセラー・オブ・ステイト」に就任できるのは、君主の配偶者と王位継承順位の上位4人(21歳以上)。現在は、カミラ王妃、ウィリアム王子、ヘンリー王子、アンドリュー王子、ベアトリス王女の5人が、この権利を持っている。
英メディアによると現地時間10月24日、イギリス議会の上院に当たる貴族院で、ヘンリー王子とアンドリュー王子が「カウンセラー・オブ・ステイト」の役職のままでいるのは不適切だという議論が行われたとのこと。
その中で、スタンゲート子爵が政府に対し「ヘンリー王子とアンドリュー王子が国王に代わって公務を行える状況に満足しているのか?」と質問。チャールズ国王にも「摂政法に賢明なる改正を加えることが可能かどうか」尋ねたいと強く要求した。
これに対して、国王の諮問機関である枢密院の顧問官のトゥルー卿は、「憲法上の信頼を確保するために必要な改正は何なのか、政府としては常に検討している」と返答。「過去にも(王位)継承をきっかけに、新しい取り決めが行われてきた」と述べ、ヘンリー王子とアンドリュー王子の「カウンセラー・オブ・ステイト」の役職を解くのには、今が絶好のタイミングであることを示唆した。
チャールズ国王の息子であるヘンリー王子の王位継承順位は5位だが、2020年3月末をもって王室から離脱。公務から引退し、移住したアメリカでメーガン夫人と共に王室批判をしながら「ロイヤル」の名のもとに金稼ぎをしていると、世間のひんしゅくを買っている。離脱後に参加した王室行事ではほかの王族からあからさまに距離を取られ、王室からも冷遇されているとささやかれている。
一方、エリザベス女王の次男で国王の弟であるアンドリュー王子の王位継承順位は8位。児童買春で世界を騒がせた富豪、ジェフリー・エプスタインと関連して、未成年女性への性的暴行疑惑で裁判沙汰となり、1200万ポンド(約20億3,000万円)を支払って和解したと報道されている。
とんでもないスキャンダルだが、公務から引退し、英国名誉軍人の称号および慈善団体のパトロンとしての役職を返上したことでケジメをつけた形となった。しかし、女王の国葬でも国民から罵声を浴びせられるなど、国の恥だという目で見られている。