BTS釜山コンサート、各国ARMYの怒号が飛び交う地獄と天国を見た! 子持ちライターが現地参加レポ
というか、明らかにスタッフの数が少なすぎます。整列テープもなければ、みんなどこに向かっているのかもわからない。行列に並んでいる人なのか、ただ歩いている人なのか、その見極めもつかないカオスな敷地内。
ようやく行列の最後尾らしき場所を見かけ、並ぶこと1時間、2時間、3時間……。
やっと見えてきた本人確認ブースは、サッカーコートほどの大きさの芝生の敷地を経た、奥にありました。
芝生に足を踏み入れると、1時間ぶりにスタッフに会い、整列するよう促されます。が、芝生上はやはり整列テープなどありません。
蛇行して列を作ろうとするARMYと、あとから来てまっすぐにブースを目指すARMY。当然、衝突地点にうねりが生まれ、乗車率500%くらいの埼京線状態に。
「Do not push!」
「やめてください! この人割り込みしてます!」
「Ayúdame!」
各国の怒号が飛び交いますが、先日池袋のサンシャイン60のフレンチレストランで大暴れしたチャイニーズドラゴンのようにはならないところをみると、心根の優しさを感じます。
イルアミから「もらってくださいね♪」圧迫状態の中で渡されたもの
さらに。
ぽんぽん。
突然、後ろから筆者の肩を叩く者が。すわ、ついにチャイニーズドラゴンかと振り向くと、イルアミが手作りらしきクッキーを見せながらにっこり。
「ソンムルです。もらってくださいね♪」
「えっ、あぁ……ありがとうございます」
“ソンムル”とは、K-POP界隈のプレゼント交換文化のこと。お近づきの印に自作のちょっとしたものをプレゼントし合うのですが、なにもこんな圧迫されながら渡してこなくても……。これも「この異常な情況を和ませたい」という優しさからくるのでしょうか。
その証拠に、このとき突然頭上を旋回するドローンに対し、みんなさきほどの怒号とは打って変わって「キャー!」なんて黄色い声で手を降っていました。ARMY、優しすぎィ! 筆者には、蜘蛛の糸に手を伸ばす地獄の民を天上からあざ笑っているようにしか見えませんでしたよ……。