有吉弘行のイジリはOK、ノブコブ・吉村には激怒……フジモンの「失礼なことも、全然言ってこい」発言によぎる疑問
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今週の有名人>
「失礼なことも、全然言ってこい」FUJIWARA・藤本敏史
『あちこちオードリー』(10月12日放送、テレビ東京系)
今から14年前の2008年。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で、「たいこ持ち芸人」という回があった。「ネタを作るより、先輩にかわいがられるほうが早く売れる」ことから、サバンナ・高橋茂雄らが、いかにして先輩をいい気持ちにさせるかのテクニックを披露していた。
しかし、「先輩にかわいがられる」ことも決して簡単なことではないだろう。芸人としては尊敬している先輩でも、人間としての相性が合わないことも考えられるし、さらに厄介なのは、先輩が自分の立場を利用して、無理難題を押しつけてこないとは言いきれない。
しかし、人権やハラスメントに対する意識が高まった現在、先輩が後輩にそんなことをした場合、その一部始終を録音されてSNSや動画サイトで配信されてしまう可能性がある。かつて先輩とは、後輩に対して「何をしてもいい」存在だったかもしれないが、現代では売れている先輩ほど、そういったリスクも踏まえたうえで、周囲に気を使う必要があるのではないか。
そんな流れを察知しているのだろうか、10月12日放送『あちこちオードリー』(テレビ東京系)に出演したフジモンことFUJIWARA・藤本敏史は「芸能界が生きやすくなる教訓」として、「芸歴を重ねれば重ねるほど隙を作れ」を挙げていた。
昔のフジモンは、後輩にイジられることをよしとしなかった時期もあったが、今では「全然大丈夫になった」そうで、「失礼なことも、全然言ってこい」というスタンスを取っているそうだ。隙を作るために、フジモンは収録の際「後輩があいさつに来るやんか。絶対に一絡みする」と自分から若手に歩み寄り、積極的にコミュニケーションを取っていることを明かしていた。
みちょぱは、そんなフジモンのスタンスを「女性タレントからしても、それはめっちゃありがたい」とし、その理由を「(フジモンをイジっても、一般人から)叩かれもしない」と述べていた。
つまり、みちょぱが芸能界の先輩をイジると、視聴者に「礼儀知らず」と認識され、叩かれる可能性がある。しかし、フジモンの場合、自ら「イジっていいキャラ」として振る舞っているので、視聴者の間でも「あの人はイジっていい人なのだ」と周知されており、後輩も心置きなくイジることができるわけだ。フジモンとしては、後輩にイジられる機会が増えれば、それだけテレビに映る時間も増えるだろうから、結果的にトクをするのだろう。